2017.01.23 Monday

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2012.11.24 Saturday

小村雪岱展@ニューオータニ美術館

ニューオータニ美術館で開催中の「大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展」に会期終了間際に行って来た。
小村雪岱展201211

泉鏡花作品等の本の装幀や挿絵で人気を博した小村雪岱。日本美術科卒ではあるが、肉筆画よりも版画を好んだようだし、画家よりもデザイナーでありたかったようだ。
なかでも本の装幀は数が多いから当然かもしれないが、代表的な作品が揃う。しっとりと濡れたようなデザイン。著作をより豊かに高め合うようなデザイン。
初版本ほか初期の版の現物が展示されているので、単なるデザインだけではなく、本という完成品となっものがみられるようになっている。それにしても、本にかかわった人々の情熱が伝わってきて、その頃の本ってなんて幸せだったろうという気分にさせられる。

装幀、挿絵、舞台装置原画のほか、没後摺りの版画も展示。
小村雪岱_青柳
小村雪岱《青柳》
なんて美しい画面。これだけの景色なのに、さまざまな情感がこみあげてきて、画面に吸い込まれていく。細やかな神経で描かれた完璧な構図。傑作でしょう。

小村雪岱はひととともに作品をつくりあげ、そしてそれが多くの人の目に触れ、手にとられることに喜びを見出していたのではないだろうか。

小村雪岱展チケ
展覧会チケットがそのまま栞になる!
 

2012.10.07 Sunday

アンソール展@損保ジャパン美

損保ジャパン東郷青児美術館「アントワープ王立美術館所蔵 ジェームズ・アンソール ―写実と幻想の系譜―」

アンソール展
2012.9.8-11.11

仮面の画家アンソールに以前から興味があったので楽しみにしていた企画(だったが、以下の感想はがっかりの中身になっている。これは企画の問題ではなく、個人的な好みの問題であることはあらかじめお断りしておく。なので、この展覧会をみるつもりの方はこの先は読まないようにしたほうがいいでしょう)。
 
企画そのものは、アンソールがいろいろな絵画運動から影響を受けてさまざまな描き方に挑戦していたことがよくわかる展示になっている。
が、勝手な印象だけで云うと、この画家は技法とか見かけばかりにとらわれて、肝心の絵の表現が疎かになっているのでは、と感じた。外光主義とか取り入れようとした描き方などいろいろあれど、そうした表現の形式が、絵でなにかを表現するためのものではなくて、描き方や描く対象だけを追求しているというか、そんな感じ。とくに初期の写実的な絵を書いていたころに顕著だが、仮面や骸骨を描くようになっても、そんな印象が残っている。いずれにせよ、いろんな描き方を試しているわりに、どれも絵としての美しさがなく、魅力も感じられなかった。

仮面の作品がほんの数点しかなかったので、仮面の画家としての本領をみるまでには至らなかったが、もっと嫉妬や劣等感といった、負の内面がにじみ出るような作品を描いているのだと信じていた。ところが、数少ない仮面の絵からは、そんなものはやはり伝わってこず、やっぱり表面的という感じがした。
いつかたくさんの仮面や骸骨の作品をみる機会があれば、ぜひ出かけてみたいが、そうでなければ、アンソールは関心リストから外してもいいと思っている。

《陰謀》の左上にいる青い仮面の顔が、《首吊り死体を奪い合う骸骨たち》の右上にもいて、これを行ったり来たりしながら見比べて、おかしくて吹き出しそうになったことだけは記しておこう。この2点があったおかげで退屈せずにすんだのだから。


2012.09.17 Monday

特撮博物館@MOT

東京都現代美術館「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の特撮」

特撮博物館
2012.7.10-10.8

少年は特撮に夢を見る。わくわくしながらTVやスクリーンの前に座る。大人は熱意を胸に、さまざまな工夫を凝らしてミニチュアの世界を拡げる。そんな熱気をそのまま持ち込んだ企画に、少年時代の記憶が甦る。あの特撮全盛期に少年時代を過ごした少年たちの多くがSFファンなのは決して偶然ではない。少女は?

『巨神兵東京に現る』 企画 庵野秀明 巨神兵 宮崎駿 監督 樋口真嗣
あの巨神兵が東京を焼き尽くす短編特撮映画が実写で観られるなんて。
それもCGは一切使わず、ミニチュアを駆使して、そこに新たな知恵を加えて。メイキング映像と併せて見ると、まさに特撮への愛と誇りを感じさせてくれる。派手なCGよりよっぽどリアリティが感じられる。製作は大変だろうけど、やはり手作り感(作られたものにこもっている情熱)が半端ない。こんなの見せられた日にはもう。

特撮美術倉庫のそれっぽい雰囲気、それに撮影可能だった最後のジオラマ「特撮スタジオ・ミニチュアステージ」には興奮したなあ。
あのジオラマの雰囲気をもう一度味わいたい!という方はtkd011さんがアップしているYouTube動画「特撮博物館のジオラマ」あたりをどうぞ。

特撮博物館には愛と熱気が溢れていました。あまりに混んでいて、なかなかゆっくり観られなかったのが心残りではあるけども。会期早めに行くべきでしたね。


2012.09.01 Saturday

ベルリン国立美術館展@西美

国立西洋美術館で開催中の「ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年」をみた。

ベルリン国立美術館展

上野では、同時にフェルメール《真珠の耳飾りの少女》で人気の「マウリッツハイス美術館展」が開かれているが、一方、こちらの目玉はフェルメール《真珠の首飾りの少女》で、タイトルだけ見ると、紛らわしいことこの上ない。

《真珠の首飾りの少女》は日本初公開だとか。耳飾りのほうとの相乗効果もあってか、かなり賑わっていて、フェルメール人気にあらためて驚く。
とてもきれいな構成と、切り取られた穏やかな一瞬がフェルメールらしい作品だと思うが、個人的にはあまり魅力を感じない。理由はたぶん、少女が少女に見えないからだろう。

ひとつの美術館の作品で構成される企画展となると、なんらかの切り口が必要になるが、今回はそれがヨーロッパ美術の400年というテーマになっている。が、あまり堪能した気がしない。彫刻は充実していたようにみえたが、どうも絵が物足りなかった。そのなかでは、レンブラント派《黄金の兜の男》の、まさに黄金の兜の輝きはほんとうに黄金に光が当たっているようで気に入ったが、そういえば顔はいまいちだったな。

自分にとってはストライクゾーンから外れていた展覧会だったということだろう。身も蓋もない感想でごめんなさい。この後、常設展ですばらしい、自分好みの作品をたくさんみたせいで、余計にそういう感想になってしまいました。

2012.08.26 Sunday

レーピン展@Bunkamura ザ・ミュージアム

渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展」に行ってきた。

8月21日には、"青い日記帳×レーピン展『ブロガー・スペシャルナイト』"に参加させていただいて、座談会など楽しいひとときを過ごしたのだが、肝心の絵をみる時間が30分に満たなかったので、あらためて行って参った次第であります(もともと行く予定だったけど)。

スペシャルナイトについてはすでにたくさんの方が、詳しい内容をブログにまとめていらっしゃるので、展示風景写真をいくつか載せるだけで許してもらいます。
ちなみに座談会「レーピンの魅力を語る」の参加者は山下裕二氏(明治学院大学教授)、籾山昌夫氏(神奈川県立近代美術館主任学芸員)のお二人、ナビゲーターはスペシャルナイトを発案された、ブログ「弐代目・青い日記帳」主宰のTakさんでした。

レーピン展ナイト01 レーピン展ナイト08
レーピン展ナイト09 レーピン展ナイト06
(注)撮影許可を得ています。

レーピンは19世後半から20世紀初頭にかけて活躍した、近代ロシア絵画の代表的画家だが、ロシア美術が日本であまり馴染みがないこともあってか、それほど知られていない。《ヴォルガの船曵き》(国立ロシア美術館所蔵なので今回は出品されていない)なら知っている人もいるだろうが、本展には、その習作と準備素描がそれぞれ数点出品されていて、これも貴重だ。

自分はもう10年以上も前になるが、ロシアでトレチャコフ美術館もロシア美術館も訪れているが、国内でレーピンに関する展覧会として過去にみたのは2回。いずれも最近のことだ。どちらにもレーピンのすばらしい作品が出品されていた。が、今回はなんといっても日本で過去最大の回顧展なのだから見逃す手はない。


レーピン展
2012.8.4−10.8 Bunkamura ザ・ミュージアム

これまでのレーピンの印象は、基本的に写実的でリアリスティックというものだった。今回、座談会で山下先生が、レーピンの絵を図像学的(正確にはなんとおっしゃったか確信がもてませんが)と指摘されたのが目からウロコだった。構成から衣装や小物まで、どうやら相当にこだわり、意味を込めた、そういう作品があるのだ。もちろん、短時間で描いた作品もあるのだが、そこには対象の本質を見つめる鋭い視線が存在する。

レーピン_作曲家モデスト・ムソルグスキーの肖像
《作曲家モデスト・ムソルグスキーの肖像》
アルコール依存症だった作曲家の入院先で描かれた肖像画で、この約10日後に作曲家は亡くなっており、まさにムソルグスキーの最後の姿としてとどめられることになった。心ここにあらずの表情なんかを見ると、作曲家が今どういう状態にあるかが手に取るようにわかる気がする。レーピンの、本質に迫る揺るぎない画力のおかげだ。

レーピン_皇女ソフィア
《皇女ソフィア》
レーピンが時代を背景に綿密な調査に基づいて描いた初めての歴史画。相当インパクトのあるこわい絵だが、隅々まで見ずにはいられない強い吸引力を秘めている。解説もなしにみたら、不思議なことだらけであることを考えると、いくつもの意味を絵に込めているだろうことが想像できる。後ろから眼光鋭く皇女を見つめる侍女兼監視役といったふうな少女にどうしても目がいってしまう。

レーピン_妻-ヴェーラ・レーピナの肖像
《休息−妻・ヴェーラ・レーピナの肖像》
X線写真で撮ったところ、修正以前の彼女の目は開いていたそうだ。単に、モデルを務めているうちに寝てしまったため眠る姿に描き直した、というだけではなさそうな気もする。

レーピンが描く肖像画というか人物画は、なんというか量感とはまた違う密度の高さがあって、重さが感じられる。それと、肖像画では手の表現が非常に特徴的だ。あきらかにその人物がもっている職業性や内面性を手に強く表そうとしている。と、思うのだが、もしこれからレーピン展に行ってみようと思う方は騙されたと思って、ちょっと手に注目してみてください。

歴史上の人物・出来事や市井の人びとの暮らしなど、モチーフはさまざまだが、レーピンはやはりロシアの人びとの内面に迫ろうとしていたように感じる。群衆や集団を描いても、ひとりひとりに強い内面性が浮かんでいて、単なる光景にとどめていない。そういった意味でも、個人的にレーピンを再評価する貴重な機会になった。

あと、《樫の森の十字架行進-奇跡によって現れたイコン(習作)》が出ていて、その完成作画像が参考図版として展示されていたが、同時に例示されていた《クールスク県の十字架行進》の緻密さに目を奪われ、実物をぜひみたくなった。もしかするとトレチャコフ美術館でみているかもしれないが、みたかどうかも憶えていないのが残念だ。


デッサン等をみてもわかるけど、レーピンはうまい! これは誰も否定出来ないだろう。
ロシア美術のことは全然知らないという人でも、レーピンの迫力と情感のある絵をみれば、ただ知らなかっただけで、西欧とは違う場所にも、世界的に有名な画家たちと遜色ないすばらしい画家がたしかにいたことを感じられるだろう。

Bunkamura ザ・ミュージアムの後、この展覧会は以下に巡回する。

浜松市美術館 2012.10.16ー12.24
姫路市立美術館 2013.2.16ー3.20
神奈川県立近代美術館 2013.4.6ー5.26

今回のような大規模なレーピン展が日本でこの先いつ開かれることになるかわからないので、後悔しないようにぜひお出掛けください。個人的には、イリヤ・レーピンがロシア近代美術を代表する画家として日本で多くの人が知るきっかけになればと願っている。

2012.08.16 Thursday

マウリッツハイス美術館展@都美

東京都美術館で開催中の「マウリッツハイス美術館展」に行ってきた。フェルメール《真珠の耳飾りの少女》が12年ぶりに来日して連日の大混雑だというので、比較的空いている夕方を狙って。
この展覧会は東京都美術館の改修後、最初の企画展。 
マウリッツハイス美術館展
はじめに断っておくと、この展覧会に出かけた目的は《真珠の耳飾りの少女》のみで、その他の作品には期待していなかったし、実際、それ以外はほとんど趣味に合わなかった。
17世紀オランダ・フランドル絵画を成す肖像画、風俗画、静物画のどれも苦手なのだ。

フェルメール_真珠の耳飾りの少女
ヨハネス・フェルメール《真珠の耳飾りの少女》
この作品の来日は12年ぶりとかで、その間にフェルメール人気が格段に高まり、誰もが知っている絵になった。
《青いターバンの少女》ともいわれるほど印象的なラピスラズリの青、それに金色が黒い背景に映え、真珠の耳飾りや唇のハイライトがさらに魅力を高める。フェルメールらしい静かな佇まいの作品だが、おそらくこの作品の最大の魅力は異国風の衣装に身を包んだ少女の眼差しだろう。彼女が見える位置のどこへも彼女の強い眼差しは届く。ふとした一瞬の表情なのかもしれないし、何かを訴えているのかもしれない、そんな謎をたたえた眼差しだ。少し開き気味の瑞々しい唇も何かを語っているよう。
小さな絵に凝縮された絵の魅力。近くでじっくり観ることはかなわなかったので、堪能したと言えるかどうかは心許ないが、遠目から彼女の眼差しを受けて満足だった。

レンブラント_シメオンの賛歌
レンブラント・ファン・レイン《シメオンの賛歌》
光の魔術師レンブラントらしい明暗のくっきりとした作品で、光のあたった場面は美しく、劇的な効果をあげている。

ルーベンス_聖母被昇天_下絵
ペーテル・パウル・ルーベンス《聖母被昇天(下絵)》
アントワープのノートルダム大聖堂にある祭壇画の下絵。下絵というのもはばかられる完成度に脱帽。フランダースの犬のネロ少年もこれを観たのだ。
こんな小さな絵では、ルーブル美術館で巨大な絵画連作を観た身にはやや物足りなくて、またルーブルに行きたくなる。

新しくなった美術館でフェルメールの代表作を観る。ささやかなしあわせを感じるひとときだった。

2012.08.14 Tuesday

タルコフスキー『ストーカー』をめぐるいくつかのこと

ユーロスペースで開催中のタルコフスキー生誕80周年記念映画祭に行ってきた。前半に行けなかったので、後半のスケジュールのなかから『ストーカー』と『鏡』の2本に絞って観ることにした。時間があえば、ほかに『アンドレイ・ルブリョフ』や『僕の村は戦場だった』も観たかったのだが・・・。
(注:これは映画の感想ではありません)

タルコフスキー映画祭

ストーカー(1979年 モスフィルム)
原作はストルガツキー兄弟『路傍のピクニック』(邦題『ストーカー』)で脚本も兄弟の手によるもの。だが、アルカージー&ボリス・ストルガツキーは監督から10回ほどもシナリオを描き直させられたうえ、最終的には脚本家が意図したものとはまったく違う作品に仕上げられた。
実はこの作品、一度完成したものが現像の失敗で消滅しているらしく、現存する『ストーカー』は後に撮り直しされたバージョンである。

映画に登場するガイド役の“ストーカー”は「気弱なインテリ」だが、原作でもシナリオでも彼は<ゾーン>から命がけでブツを運び出して生活している密猟者(=ストーカー)だ。最初の完成時はおそらくシナリオに近い人物造形だったものが、撮り直されたときにどうやら変更されたらしい。ストーカー役のアレクサンドル・カイダノフスキーは、ニキータ・ミハルコフ『光と影のバラード』のようにアクションで知られる俳優だけに、アウトローの雰囲気にぴったりで、そんなことからも、当初の構想は原作寄りだったはずだ(この役柄変更は、以前から俳優業に矛盾を感じていたというカイダノフスキーには辛かったのか、このあと監督業へと転身している)。
主人公の造形変更とともに議論を呼ぶのが、最後のシーンだろう。シナリオではストーカーの妻によるモノローグのあとにあるのは、映画のようなシーンではまったくない。映画でのラスト・シーンに監督が込めた意味を推察することはできるが、やや唐突な印象がある。

このあたりの経緯のいくつかは、シナリオの1本として発表された『願望機』に詳しいし、それ以外にもタルコフスキー研究者がいろいろ書いているので、興味があれば探してみるとおもしろいかもしれない。
研究書を読まなくても、映画『ストーカー』を観て、原作の『ストーカー』(ハヤカワ文庫)とシナリオ『願望機』(群像社)を読めば、どっぷりとこのゾーンをめぐる物語に触れることができるので、いちどお試しあれ。
(ところで、ハヤカワ文庫の『ストーカー』はもしや絶版? もしそうなら、そろそろタイトルを原題に合わせて変更して復刊してくれませんかね。)


何度も観ている『ストーカー』に対して、『鏡』はようやく2回目(もしくは3回目)の鑑賞。夢と現実、過去と現在を重層的に描いた映像にまたしても幻惑させられた。


2012.07.27 Friday

花と動物@A.C.T

The Artcomplex Center of Tokyo sioux個展「花と動物」

花と動物
2012.7.24-7.29

金曜日の勤務後。どこかで何か見たいなとTokyo Art Beatで探して、気になる個展を見つけたので、作家のHPを覗いてみる。
sioux(スー)。ギャラリーを見ると、どこかで見たことがあるような気がする。「現代美人画 画家 イラストレーター」とあって、いろんな媒体に作品を提供している。
『ガールズイラストレーションレシピ』なら本屋でパラパラとめくってみたことがある。

とにかく可愛らしい女性イラストを描いていて、みたくなったのでGO!

四谷三丁目駅からも信濃町駅からも徒歩7分。夕方でも今日みたいな蒸し暑い日にはなかなか刺激的な距離だった。

イラスト原画が中心とかで、小さめの作品が多い。女性と花といきもの。実を言うと、いくつかを除くと、どんな動物がいたっけ、とよく覚えていない。それだけメインの女性たちばかりみていたということかもしれない。
かわいい、美しいというのはそれだけで魅力的。色鮮やかなものから、墨を中心にしたモノトーンに近いものまで、さまざまな表情を見せる女性たち。
いちばん気に入った作品は墨系のもので、タイトルは残念ながら覚えていない。手に届く値段だったので、なにかのタイミングが合えば買ってしまっていたかも。

暑い日に一服の清涼剤となる個展。十分楽しみました。sioux作品、機会があれば、ぜひまた見に行きたい。


2012.07.22 Sunday

ドビュッシー、音楽と美術@ブリヂストン美術館

ブリヂストン美術館で開かれている「ドビュッシー、音楽と美術 ―印象派と象徴派のあいだで」をみてきた。これも先週の話。

ドビュッシー、音楽と美術

ドビュッシー生誕150年を記念してオルセー美術館オランジュリー美術館とブリヂストン美術館が共同開催する展覧会。
会場に入るといきなりの青い世界。細かなところまで丁寧に青に染まっていて、相当気合が入っている印象。ドビュッシーとその音楽を、印象主義や象徴主義、ジャポニズムとのかかわりや交流から紐解くこころみはわくわくする感じがあってとても楽しかった。

ドビュッシーの音楽で好みは、「ベルガマスク組曲」「子供の領分」などの、美しくきらびやかな音のピアノ曲。よく聴いています。「交響詩 海」は聴いていた時期はあるが、「牧神の午後への前奏曲」なんかと同じで今はあまり聴かない。なので、印象派とか言われても正直ピンとこない。イメージとしては象徴派のほうが近い気がする(根拠なし)。

ドビュッシーの音楽にはドニの淡くて装飾的な絵が抜群に似合うように思ったが、まあそれは自分がドニが好きなだけかもしれないので、なんとも言えないか。とにかく僕にとっては、まさにドニ祭で、大大大満足であった。
ドニ_木々の下の人の列 ドニ_ミューズたち 
モーリス・ドニ《木々の下の人の行列(緑の木々)》《ミューズたち》
この2点とは「オルセー美術館展2010」以来の再会。
ドニ_イヴォンヌ・ルロールの3つの肖像
モーリス・ドニ《イヴォンヌ・ルロールの3つの肖像》
この不思議な肖像画や、《木の葉に埋もれたはしご》は、ドニらしいおもしろい発想の構成でとても魅力的だった。ドニの作品は色の統一感があるので、たとえば、「ほら、ドニのあの青い絵」とかでわかったりしてしまうあたりが便利。

ウィンスロー・ホーマー《夏の夜》も幻想的できらきらと美しかったし、大好きな象徴主義の作品もたくさんあって、どれもドビュッシーの音楽に関係しているような気がしてきて不思議な気分になった。


ドビュッシーはもちろん、彼が活躍した時代のフランスを中心とする美術に関心があるなら見逃せない充実の企画。ドニ好きならなおさら。
三菱一号館美術館で開かれているバーン=ジョーンズ展とあわせて見るとさらに価値があるかも。
バーン=ジョーンズ_王女サブラ
エドワード・バーン=ジョーンズ《王女サブラ》

2012.07.21 Saturday

吉川霊華展@東近美

東京国立近代美術館で開かれている「吉川霊華展 近代にうまれた線の探究者」をみてきた。といっても一週間前のこと。

吉川霊華展 吉川霊華展2
吉川霊華という名をこの展覧会までまったく知らなかったが、線描を探究していたと聞いて、ぜひ線をみなければと出かけたわけだけど、想像していた線のタイプとは全然違っていた。強弱などを駆使した端正な線を勝手に想像していたが、その線は、迷いなくスピーディーだけども、やわらかで繊細さがあふれんばかり。
吉川霊華があまり知られていないのは、帝展なんかと距離を置いていたことや、個人蔵が多いことなどがあるらしい。作品には、そうした孤高の存在みたいな雰囲気が漂っている。

展示は、いきなりの巨大な水墨画《神龍》でびっくり。上のほうは暗くてよくみえなかったけど。その後、初期の作品が続くのだけど、同じモチーフが後半にも登場したりするので、よく目に焼き付けておくと楽しみが倍増すること間違いなし。
古典を題材にすることで線に磨きをかけたいという欲求につつまれたのかな、などと思いながらみていき、圧巻のスケッチ帳のすごみにまた驚かされる。

不思議なことに、ひとつひとつの作品を眺めていくうちに、強烈な眠気に襲われ、ガラスケースの前で立ったまま寝てしまいそうになった。観覧者が少なくて静かすぎたせいもあるかもしれないが、なにか、ひとつひとつの作品にこめられた世界に魔力が働いているような気がした。あと、あまり色のない、わりと似た雰囲気の作品が続くということもあるような。

個人的にもそんなに好きなタイプの絵ではなかったが、そこには独特の世界観があって、惹きつけられたのもたしか。なかでも幻の代表作《離騒》の詩的でエモーショナルな情景には思わず見入ってしまった(最初に眠気に襲われたのはこの対幅の前だった)。
 吉川霊華_離騒_右
吉川霊華《離騒》

自分の場合、よくある感想だけど、まだまだ知らない作家がたくさんいるなー。時間と気持ちに余裕をもって、もっとたくさんの絵を見に行けたらいいんだけど。それはさておき、久しぶりの東近美はとても楽しかったが、常設展を回る時間がなかったのが残念だった。





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