2006.08.06 Sunday

松岡美術館「エコール・ド・パリ展」をみる

予定にはなかったのですが、思い立って松岡美術館に行ってきました。地下鉄南北線の白金台駅を出ると、灼けつくような暑さと陽射しが待ち構えるなか、約5分の道のりです。

松岡美術館

ぐるっとパス」で入場したので、今日から10月5日までが期限です。

さて「エコール・ド・パリ展」のチラシはもうなかったので、正面玄関前の案内を載せておきます。
藤田嗣治《二人の子供と鳥籠》(1918)が掲載されています。

 エコール・ド・パリ展案内

まず2階の「エコール・ド・パリ」展から始めました。キスリング、シャガール、モディリアーニ、藤田嗣治、ピカソなどの展示室と、ドンゲン、ヴラマンク、ユトリロ、ローランサンなどの展示室に分かれています。数は少なめですが、収蔵品はもちろん他にもあるようです。青森県立美術館に貸し出されているシャガールの作品もあるそうですから。

キスリングの写真があったのですが、彼の描く人物は彼に似ていて、とくに目はそっくりでした。キスリングの絵はあまり好みではないのですが、《プロヴァンスの少女》(1918頃)と《花瓶》(1918)はなかなかいいなと思いました。
シャガールの《婚約者》(1977)は青の色合いがとても落ち着いていて、《パリ賛歌》(1953-54)は赤が鮮やかできれいです。
藤田嗣治の《聖誕》(1918)はキリスト教絵画を描いてもやはり藤田だなと思いましたが、絵に力強さが感じられました。
ピカソの《泣く女》で知られるドラ・マールを描いた《ドラ・マールの肖像》(1941)には写真も飾ってあって、彼女以外の誰でもないことがよくわかります。
ヴラマンク《嵐の前の風車》(1930代)は相変わらずの力強い描写。《港のヨット》(1910)などはセザンヌの影響を受けているのがわかります。

東西の古代美術などはさらっと流し、ヘンリー・ムーアらの彫刻を一通り眺めて終了です。
ロビーで出迎えてくれたディエゴ・ジャコメッティのブロンズ彫刻《猫の給仕頭》のなんとも愛らしい姿と表情をもう一度みて、思わず笑みがこぼれました。

あとはいつものように連れ合いがポストカードを数枚購入しました。お得な5枚セットと別に1枚の計6枚。コレクションが増えていくのを楽しみにしているようです。

閑静な住宅街に佇む美術館に行って、本当に心が豊かになったような気がしました。庭もあって、猛暑のなか、まさにオアシスのようでした。

2006.07.30 Sunday

青山ユニマット美術館に行く

26日にオープンしたばかりの青山ユニマット美術館に、連れ合いとふたりでさっそく行ってきました。

土曜日午後1時半頃に大江戸線で青山一丁目駅に到着、青山通りの南側を外苑前方面にしばらく歩いて、右手に伊藤忠商事ビルを見ながら左手に角を曲がるとすぐです。

青山ユニマット美術館

外観だけでなく内部もきれいで、初々しい雰囲気が漂っていて好印象です。
入ったところでチケットを購入し、エレベーターで4階まで上がって入場、階段で1階ずつ降りていくという順序です。

 青山ユニマット美術館チケット

まず4階にはマルク・シャガールの作品18点だけが展示されています。
そのなかでも、やはり美術館いち推しの作品《ブルー・コンサート》(1945)が目を惹きます。聖母のように穏やかな微笑みのベラを中心に赤や青が穏やかに配置され、構成的にもとても完成度が高いように感じました。もうひとつ気に入ったのは、その正面に飾られた《赤い裸婦》(1954-55)で、とにかくその赤の鮮やかさに目を奪われました。シャガールの描くパリの街が、生まれ故郷のヴィテプスクかのような印象を受けるのは気のせいでしょうか。

3階から2階にかけては「エコール・ド・パリ」そして「印象派/後期印象派」の画家の作品合わせて60点が展示されていました。
今回気に入ったり、強い印象を受けた作品は、ジョルジュ・ブラックの《緑のテーブル》(1943)、藤田嗣治の《2人の裸婦》(1926)と《バラ》(1922)、モーリス・ド・ヴラマンクの《雪景色》と《村の通り》、荻須高徳の《タバコ屋》、ポール・セザンヌの《テーブルクロスの上のリンゴ》(1886-90頃)あたりです。
ヴラマンクや荻須のことは何となく耳にしたことがあるくらいで、どういう絵を描いていたのかまったく知りませんでしたが、ヴラマンクの力強いタッチと光の表現、また《タバコ屋》の建物の立体感にとても驚かされました。

ながながと鑑賞してしまったので、結構疲れました(作者や作品についてかなりの分量の解説も掲示してあって、それをほとんど読んでしまったせいもありますが)。
この新しい美術館ですが、「箱根芦ノ湖美術館」時代に訪れたことはありませんが、予想以上の充実ぶりに感激しました。

青山ユニマット美術館チラシ

ひとつだけ残念だったのは、マナーの悪い客がいたことです。意味なく動き回り、解説を読んでいる人の前に割り込んで大声で喋る二人連れ、階段をカツカツと大きな音を響かせて下りる人たちなど、少しは考えてほしいものです。

最後はいつものようにポストカードを買って終了です。展示作品のものは少ししかなくて物足りないですね。今後、是非充実させてほしいです。


絵画を堪能した後はエネルギー補給です。美術館から外苑前方面に歩いて数分のところにある「おにぎりカフェony」南青山店で、おにぎりとお茶でひと休みしました。ここも全席禁煙です。
すっかり元気を回復して、そのあたりを散策しようと歩き始めたのですが、あまりに暑かったので、少しだけ歩いて退散しました。


閉館につづく

2006.07.12 Wednesday

「若冲と江戸絵画」展をみる

「若冲と江戸絵画」展に行ってきました。連れ合いと昼過ぎに上野公園に到着、とても蒸し暑い曇り空の下を東京国立博物館に向かいました。

若冲案内

 平成館若冲展

平成館は初めてです。「プラド美術館展」の東京都美術館がとても狭くて残念な気がしたばかりだったので、平成館は広くて、ゆったりと鑑賞できたのでとても満足でした。

伊藤若冲の作品群にはやはり圧倒されました。大胆で独特な表現と緻密な描写。ひと目でこれほど心が揺り動かされるとは思ってもみませんでした。
          若冲・雪中鴛鴦図
ひとつだけ選びなさいと言われると、本当に困るのですが(誰もいわないって!)、とくに惹かれたのは《雪中鴛鴦図》です。雪や水面下の独特な描写も素晴らしいのですが、何よりも構図の美しさに魅入られました。
あと、《猛虎図》の虎の表情がなんとも愉快なのでよくよく眺めると、毛の描写がとても緻密なのに驚かされました。《鳥獣花木屏風》はまるで西洋画のようでした。
緻密な描き込みと簡略化された輪郭が見事に融合していることなど、若冲の筆の魅力を数え上げればきりがないのでこの辺にしておきますか。

じっくり鑑賞して、最後に第4室の「特別展示(光と絵画の表情)」に足を踏み入れると、そこには光の変化とともに思わぬ変化をみせる絵画の姿がありました。例えば、鈴木其一の《群鶴図屏風》に描かれた鶴の白い羽の部分が、光量が落ちるとともに輝き始めたのには感激しました。
酒井抱一の筆になる《十二か月花鳥図》のその抑えた美しさは心を穏やかな気持ちにさせてくれました。

鑑賞した後はカタログとポストカードを買って終了。これもすっかり楽しみのひとつになりました。

ジャパニーズ・アートをあなどることなかれ。必見のコレクションですね。

2006.06.28 Wednesday

「プラド美術館展」をみる(3) おまけ

すべて鑑賞し終えると、あとは記念品ですね。
カタログとポストカードは予定通りですが、卓上カレンダーがあったのでこれ幸いと買ってしまいました(卓上カレンダーは去年のがいまだにデスクの上を占領していましたから)。この卓上カレンダー、使い終わるとポストカードにできるようになっているので、ポストカードだらけという結果になってしまうのですが・・・・・・。カタログは2300円ですが、これはかなりお買い得だと思いました。
プラド美術館展カタログ 

 カタログの通信販売もあるので、興味のある方はこちらをご覧下さい。

さて、混雑から逃げおおせると、途端にエネルギー切れを感じたので、お茶しに行くことにしました。東京都美術館にもレストランがありますが、そこはパスして、連れ合いが以前から一度寄ってみたいと思っていたという国立西洋美術館カフェ「すいれん」まで足を延ばしました(この表現はおかしいですね。帰り路にあるわけですから)。

すいれんモンブランすいれんチーズケーキ
   ケーキセット モンブランとチーズケーキ
美術館という場所柄のせいか、全席禁煙というところが私たちにはとても有難かったです。

人心地ついたところで、せっかくだから西洋美術館の常設展でも一回りしようかと思ったのですが、閉館時間が迫っていたので、ミュージアム・ショップで本やグッズを見て楽しむだけにしました。連れ合いはまたポストカードを買っていましたが。
建物の外に出ると、まだ明るいので、前庭に展示されているロダンの彫刻数点をさらっと巡ってみました。

上野には、美術展だけでなくて、東京文化会館にときどきバレエを観に行ったりするので、上野に出かける機会がさらに増えそうです。

2006.06.26 Monday

「プラド美術館展」をみる(2) 本編

入場すると、いきなり人ごみが目に飛び込んできました。これはゆっくり鑑賞するのは難しいなと覚悟しましたが、それでも、昨秋の「プーシキン美術館展」のときほどは混雑していない、と気を取り直して群集のなかに突入です。
ちなみに、「プーシキン」のときはあまりの人の多さに早々に退散していまいました(今ほど絵画に対する興味の度合いが強くなかったこともありましたが)。

今回いちばん人気なのは、看板でも紹介した、ムリーリョの《エル・エスコリアルの無原罪の御宿り》、次が《貝殻の子供たち》だそうです(あくまでもポストカードの売れ行きのことですが)。
エル・エスコリアル貝殻の子供たち

実際、これらの絵の前には人だかりがしていて、近づくのはなかなか大変でした。離れて鑑賞するにも、人の頭が多くてよく見えません。そこで、進路方向の上の階に上がって、上から見下ろすと、結構よく見えるうえ空いていて快適でした。

連れ合いが気に入ったのはボデゴンです。とくにメレンデスの《プラム、イチジク、パン、小樽、水差しなど》に魅かれたようでした。来場者の動きを観察していると、これもかなり人気がありそうでした。サンチェス・コタンの《狩猟の獲物、野菜、果物のあるボデゴン》も、窓のような枠から食物がはみ出る構図で、絵そのものからはみ出たようにも見せているところが秀逸ですね。
メレンデス「水差しなど」コタン「狩猟の獲物、野菜、果物のあるボデゴン」

私は、絵の好みは別にして、メレンデスの《風景のなかの西瓜と林檎》に驚かされました。雄大な風景を背景に果物を描くとは! その果物たちが生きて会話をしているようで、もはや静物画ではありませんね。

あと、ゴヤの<黒い絵>群に属する《魔女の飛翔》が小さくてびっくり。本に掲載された写真をみて、勝手にもっと大きな絵だと想像していたんですね。現物をみないと・・・・・・(《モナ・リザ》が小さくて驚いたという話はよく聞きますが)。記されているサイズをよく確認しておくことも必要ですね。
ゴヤ「魔女の飛翔」

ひとつひとつそこそこゆっくり鑑賞して、堪能しました。絵画展を一通り見て回るのも疲れますね。終わったあとで、エネルギー切れを感じました。

2006.06.21 Wednesday

「プラド美術館展」をみる(1) 案内看板

ずっと楽しみにしていた「プラド美術館展」にようやく行ってきました。連れ合いとふたり、お昼過ぎに上野に到着です。

JR上野駅から上野公園に入り、国立西洋美術館の前を歩いていると、東京文化会館側に案内看板が掛かっていました。ルーベンスの《フォルトゥーナ(運命)》です。
プラド案内00

そのまま行くと、ティツィアーノの《皇帝カール5世と猟犬》が、また少し歩くと、ベラスケスの《道化ディエゴ・デ・アセド “エル・プリモ”》が現れます。
プラド案内01プラド案内02

パフォーマーのパフォーマンスで賑やかな広場を横切ると、ムリーリョの《エル・エスコリアルの無原罪の御宿り》がありました。
そして、東京都美術館の入口に着くと《貝殻の子供たち》が迎えてくれます。
プラド案内03プラド案内04

こんなにいろいろな案内の看板をつくるなんて気合が入っていますよね。鑑賞後に出口に、いくつかのポスターのなかでどれがよかったかというアンケートがあったので、ポスターも何種類もあったのですね。

「プラド美術館展」の本編はまた後日。


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