サントリー美術館で
「藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美」をみた。もう1週間以上前のこと。
絵画好きで彫刻や陶磁器などにはそもそもあまり関心がないのに、なぜか《曜変天目茶碗》がみたくて出かけた。
ほかにもなかなか味わい深い名品がいくつもあったけど、何はさておき、これ。
《曜変天目茶碗》中国・南宋時代
曜変天目茶碗は世界に3点しかなく、そのうち3点が日本にあるとか。って、全部じゃん。ググってみたところ、この藤田美術館蔵のほかには、静嘉堂文庫と大徳寺龍光院にあるそうな。静嘉堂文庫蔵のそれは中でも最高のものとされているらしく、大徳寺龍光院のそれは地味だが美しいとか。
そしてこの藤田美術館の茶碗は唯一、外側にも曜変の斑紋が現れているとのこと。
ひと回りしてみたが、やはり展示正面からの景色が最高だった。左奥に天の川があって、まさにわれらが天の川銀河って感じで、吸い込まれそう。大袈裟でなく、自分が宇宙の一部であることを感じたような気がした。
この茶碗に日本酒を注いで飲んでみたらどんな気分になるのだろう。
展示には照明をはじめいろいろ気を使っただろうと思う。別の照明でみたらどんなふうにみえるのだろう、というかさまざまな景色を描き出すに違いない。
中国になくて日本にしかないこと、製法がよくわかっていないこと、狙って作ったのか偶然できたのかわからないこと、いろんな謎を秘めたミステリアスな逸品。お見逃しなきよう。