2023.08.20 Sunday

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • posted by スポンサードリンク|
  • -|
  • -|
  • -

2013.09.28 Saturday

竹内栖鳳展@東近美

 f:id:kirillplus1:20130928221559j:plain

竹内栖鳳展をみて感じたのは、写生を出発点としながら、対象がもつ本質を浮かび上がらせるかたちを追求しつづけた画家の姿勢だ。さまざまな流派の技法を学びながら独自の表現を模索し、やがて西洋画の写実的な表現をも取り入れて、伝統的な日本画との融合に挑む。日本画でも西洋画的な写実表現ができることを、ライオンをはじめとする多種多彩な動物や風景によって示し、さらに、みる人間とみられる対象があってはじめて絵がうまれるという関係性を描いているようにもみえた(まるで量子力学の観測問題みたいですが)。

晩年にはそうしたかたちと対象がもつ本質が絶妙なバランスで調和し、融合しているようだった。蓮池に泳ぐ鴨たちを描いた《秋興》では蓮の葉を伝統的な素朴な線でかたちを捉え、白緑をあっさりと置いているのに対して、鴨は《班猫》のようにやわらかな羽毛を精緻な筆で描いている。さらに晩年になると、かたちは最低限の線だけで絶妙に表現され、画面から音や空気、いきものたちがもつこころのような何かを伝えている。

f:id:kirillplus1:20130928222853j:plain  f:id:kirillplus1:20130928222857j:plain

竹内栖鳳の画業をたどるにあたって、これだけたくさんのすばらしい作品を通じて作家の変遷と挑戦に接することができたのはうれしいことで、とくに晩年の作品の多くに魅了されたことが自分にとっては大きな驚きだった。

 

竹内栖鳳展  近代日本画の巨人

東京国立近代美術館  2013年9月3日-10月14日

 

このあと平成25年度第2回所蔵作品展「MOMAT コレクション」をみた。狐たちのいる景色が静かな山口華楊《月夜野》と、新収蔵作品の速水御舟《京の家・奈良の家》(建物のかたちと構成がユニークで、フランボワーズ色の壁が目を引く)が同じ室にあって、行ったり来たりしながら何度もながめた。

 JUGEMテーマ:アート・デザイン



CALENDAR

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2013 >>

ENTRIES

CATEGORIES

SEARCH THIS SITE

ARCHIVES

RECENT COMMENT

  • モスクワの旅10(さようならモスクワ編)
    キリる
  • モスクワの旅10(さようならモスクワ編)
    yuasa
  • 栄西と建仁寺@トーハク
    キリ
  • 栄西と建仁寺@トーハク
    奈良県PR担当の油井と申します
  • タルコフスキー『ストーカー』をめぐるいくつかのこと
    キリ
  • タルコフスキー『ストーカー』をめぐるいくつかのこと
    あべ
  • 2011年の美術展ベスト5
    AR
  • 2011年の美術展ベスト5
    はろるど
  • 歴史を描く@山種美術館
    AR
  • 歴史を描く@山種美術館
    遊行七恵

RECENT TRACKBACK

RECOMMEND

LINKS

PROFILE

twitter

スマートフォン

OTHERS

MOBILE

qrcode

POWERED

無料ブログ作成サービス JUGEM

SPONSORED LINK