ブリヂストン美術館開館60周年記念特別展
「あなたに見せたい絵があります。」に行ってきた。
会期前日の内覧会にせっかく誘っていただいたのに残業で行けなかった展覧会。しっかり入館料をおさめて観てきました。
今年1月に開館60周年を迎えたとのことで、ここと石橋美術館が所蔵する代表的な作品約100点が集められている。もちろんほかにもたくさんいい作品あるので、絞るのは大変だったことでしょう。
自画像、肖像画、ヌード、モデル、レジャー、物語、山、川、海、静物、現代美術の11章からなり、単純なテーマ分けのようだけど、意外にすっきりとわかりやすくてよかった。
まだ行ったことがない石橋美術館の所蔵に多く初見作品があって、予想以上に楽しめたし、見慣れた作品たちも、まわりにある作品との配置の関係でまた違ってみえてくるのだからおもしろい。ひとつひとつに丁寧な解説があって親切。
「第6章 物語」には物語を題材にした作品9点があって、うち青木繁が4点。青木繁《わだつみのいろこの宮》の正面に、その5年前に制作された藤島武二《天平の面影》が展示されていて、個性は違っても、古代のロマンに心をはせる画家たちの情熱のようなものが感じられて興味深い。
「第7章 山」には雪舟《四季山水図》。理想とする山水図だからとはいえ、なんてきれいな構成だろう。春夏秋冬並べてみると、完璧なバランスのなかに風景が情感をたたえている。それぞれに人がいるのがほほえましい。
雪舟《四季山水図》 右から春夏秋冬
新収蔵作品2点もお披露目されている。ギュスターヴ・カイユボット《ピアノを弾く若い男》と岡鹿之助《セーヌ河畔》。
カイユボット《ピアノを弾く若い男》
光や写り込み、壁や絨毯、窓など隅々まで神経を配って丁寧に描きこまれた、画家の心豊さが伝わってくるような気持ちのいい作品。
ブリヂストン美術館と石橋美術館が自信を持って見せたい絵の数々。堪能しました。