ギンザ・グラフィック・ギャラリー第307回企画展
「ロトチェンコ −彗星のごとく、ロシア・アヴァンギャルドの寵児−」をみた。
ロシア・アヴァンギャルド関連の展示はできるだけみたいと思っているので、このギャラリーを訪れたことはないけども、とにかく足を運んでみよう。
で、訪ねてみてびっくり。近年に復元されたものやプリントされたものが多いけども、その数160点近く。しかも無料ってどういうこと!?
ただただ感激して、ロトチェンコが活躍した1920−30年代のモスクワ、レニングラードへ時空をひとっ跳び。
ロシア・アヴァンギャルドといってもさまざま。ロトチェンコはなかでも構成主義を代表する芸術家だ。
ロトチェンコの広告は斬新で革新的、そしてそこに熱いエネルギーが宿っている。時代の先端を行っているという自信とプライドが漲っている。現代の東京でみてみると、新しいけども懐かしい、実験的で独創的だけども身近で親しみやすい、そんな印象。つまり、ロトチェンコが生み出した芸術が現代に脈々と受け継がれているということだと思う。
絵画こそなかったが、ポップな魅力に溢れた広告、大胆なアングルのインパクトある写真へと関心を移していくロトチェンコの魅力が詰まった充実の企画。展覧会タイトルのとおり、まさに彗星のごとく現れ、時代の寵児となったロトチェンコだったが、時代がゆえに活動期間は短かった。その凝縮された作家の足跡を見逃すことなかれ。
これだけの展示を無料で楽しんでは申し訳ない、と思ったわけではなく、ただほしかったからだけども、久しぶりに図録を購入。出品作すべてが掲載されて1,000円と、最後までお得であった。やっぱり好きだよロシア・アヴァンギャルド。