シロタ画廊「入江明日香展」2012.1.10-21
銀座に出るならと
TABで探してみたところ、きれいで独特な絵が目についたので、覗いてみることにした。「少女と四聖獣」をモチーフにした作品を中心に20点以上あって、みごたえがある。
少女と聖獣に小さな人や動物の組み合わせだったり、独創的な画面がきれいな色で構成され美しい。
ウェブ上でみたときは、イラストっぽい印象を受けたのだが、実際にみると、物語が浮かんでくる気がするから、イラストを連想したのだろう。創作に際してストーリーはまったく考えていないというが、十分に物語を喚起する画面だ(イラストっぽいという感想は、作家さんとしてはどうかわかりませんが、自分としてはいい意味で使っているので、気にされてなければいいのですが)。
それよりも、銅版画(アクアチント)だというのに驚かされた。大きな作品が多いので、まさか版画とは思いもしなかった。版画をパネルにコラージュして構成するのだそうだ。そのうえに水彩で描き込んだりしているとか。たいへん手間がかかる作業。
あと、顔がかわいらしいのがいい。人物にかぎらず、きれいな造形には誰しも惹かれるのだから。とくに目には気を使っているそうで、時間がかかるとのこと。目は大事だとあらためて感じる。
版画らしい色味とグラデーション、そして余白をうまく使いながら、人や動物を組み合わせて、不思議で独特の味わいをもった、きらびやかな世界をつくりだしている作家にこれからも注目。