日本橋高島屋「ZIPANGU ジパング展 −31人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン。−」
2011年6月1日ー20日
はじめにはっきりと断っておかないといけないのは、自分がいわゆる現代アートに関してほぼ何も知らないということ。なので、これからの感想は酔っ払ってくだを巻いている程度のものとお考えください。
とはいえまったく関心がないというわけではなくて、たまに何かにひっかかることがあれば、記事を読んだり、ギャラリーに出かけたりもする。まあその程度。
今回については、31人の気鋭作家が現代日本のアートシーンを切り拓くんですよ!ーそれは行かねばなるまい。でも一般的な知識も予備知識もないことは先ほど述べたとおり。
町田久美《とまり木》
ネット上ではみたことがあって、とくに気になることもなかったのだが、実際に目にしてみると、なんだかよくわからないけども、妙に不思議な存在感があってほうっとなった。ただの着ぐるみかと思いきや、アキレス腱のあたりにはバラのトゲにも似たツノのようなものが。何か寂しげな後ろ姿で何をしているんだろう、何かを語り合っているのだろうか、それとも下界を見下ろしているのだろうかなど、想像力がかきたてられる。
山口藍《道すがら》
メレンゲでコーティングされた甘いお菓子のような質感にみえる固い座布団の趣きのパネルで、絵をみに行って初めて、手で触ってみたいと思った。なんか愉快な気分に。
池田学《灯台》
ペンとインクで描かれた細密な描写で、絵本の一場面のよう。こういう細かいのがとくに好きというわけでもないが、妙に惹かれるし、やっぱりスゲーって驚嘆する。
樫木知子《タイルの部屋》
ぜんぜん好きな絵じゃない。なんか居心地が悪くなるし、ちょっと気持ち悪い。でも異空間に誘うようなウネウネとしたタイルに目が惹きつけられて、思わず覗き込んでしまった。
熊澤未来子《侵食》部分
パネル、ジェッソ、鉛筆とあったと思う。ジェッソってなんだ?と調べたら、地塗り剤とか。これ鉛筆ですよ! 最後になんかすごいものみちゃったなあ、って感じ。よくここまで描き込むもんだと感心するやら、呆れるやら。侵食ってタイトルがなんとなくわかる気がするけど。
このほかにもおもちゃ箱のような雑多に違うものがいろいろあって、飽きない。結構楽しかった。
現代日本のアートがどういう状況を呈しているのか知らないし、いつの時代もそうだろうけど、自分なりの表現をしようと日々格闘する作家さんがたくさんいることで、アートシーンが実り豊かになるものなんだろうな、と漠然と感じた展覧会だった。