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2011.05.04 Wednesday

百花繚乱@山種美術館

山種美術館「百花繚乱―桜・牡丹・菊・椿―」 2011年4月27日―6月5日

百花繚乱_山種2011
チラシが人気で切らしているとのことなので、山種美術館HPの画像を拝借。

広尾に移転してよかったのは、千鳥ヶ淵の頃よりたくさんの作品が見られるところ。
何度も目にした作品もあれば、初見の作品もいくつかあって、相変わらずの名品揃いに溜息が出るよう。


まず桜から入るのだけど、いきなりの奥村土牛《醍醐》で驚かせてくれる。が、入り口近くでは人が溜まってしまうので、展示的にはどうなのかな。
この絵のすばらしさは、どっしりとした存在感をもちつつも、あくまでも静かで穏やかな空気に覆われているところ。まさに名画の趣。
奥村土牛_醍醐

同じく奥村土牛《初夏の花》も初夏らしい爽やかな作品。
奥村土牛_初夏の花

川端龍子《花の袖》は画面の中心にどんと花の塊を置いて、相当な密集感があるのに、不思議にもさっぱりした風情がある。
鈴木其一《四季花鳥図》。師匠の酒井抱一とはかなり違う感覚を持っていて、江戸琳派として捉えていいのやら、といつも思う。色鮮やかで絢爛、細密な画風、そして何より個性的だ。
鈴木其一_四季花鳥図

林功《月の音》。散った椿と白い道が呼応しあい、冷たそうだけど幻想的な雰囲気。
荒木十畝《四季花鳥》。四季を色で特徴付けて緻密に描いた四幅。どの季節も穏やかな印象を受ける。

さて、今回気になった作品は、現役の作家ふたり。
ひとり目は牧進。《初夏の頃》はブロックのように描かれた竹の背景がおもしろいし、《明り障子》は左右の障子が目を引く。どちらも斬新な表現を加えながらも、日本画の伝統に忠実な感じを受けた。
<追記>
翌朝、目が覚めたら、この「日本画の伝統」というのが気になっている自分がいた。たぶん、書いたときから気になっていたからだと思う。昨今、「日本画って何?」をテーマにした展覧会やイベントがたくさん開かれているのに、そのことに意識的でない表現を安易に使ったことを反省している。日本画がいつの頃にどう成立したかもよく知らないのに。
かといって、文章そのものをすっかり消してしまうのもなんだか気が引けるので、この場合の「日本画の伝統に忠実」というのは、“自分が日本画っぽいと感じる雰囲気をもったタイプの絵の範疇にある”と後付けしてお茶を濁すことにする。

もうひとりは西田俊英《華鬘》
一羽の鳥とそのまわりに散りばめられた細密な草花で凝縮された空間が迫ってくる。画面の密度と、渋いながらも艶やかな色使いの美しさに、精神の震えにも似た奇妙な高揚感と厳かな気持ちが同時にこみ上げてきて、誰にも邪魔されずにこの絵としばし対話してみたいと願わずにはいられなかった。
西田俊英_華鬘

さらに酒井抱一、速水御舟、小林古径らの名品の数々。
小林古径《牡丹》速水御舟《牡丹花(墨牡丹)》が並んで展示されることで、それぞれの魅力が際立つ。
小林古径_牡丹速水御舟_牡丹花(墨牡丹)

そんなこんなで、最後はいつもの感想で締めくくることにしよう。
山種もってるなあ!


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