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2009.10.18 Sunday

特別展 菱田春草(明治神宮)

菱田春草が晩年に暮らした代々木の、明治神宮文化館宝物展示室で開かれている「菱田春草」(前期)をみてきた。
美術展については新聞に掲載されている展覧会情報以外はそれほど頻繁にチェックしていないので、美術をみて回っているブロガーの記事で知ることがわりとある。
今回はmemeさんの記事を見て、これは見逃せないと出かけた。菱田春草をまとまったかたちでみる機会がこれまでなかったので、かなりうれしい企画。

特別展菱田春草

《落葉(未完本)》(1909)は、永青文庫蔵《落葉》の前に制作されたもので、起伏する大地が制作を途中でやめた原因だと推測されている。これだけの大作で、素人目にはこの起伏もまたすばらしい表現にみえるので、もったいない気がする。琳派に通じる装飾的表現を模索するなかで、土を描くことがしっくりこなかったのだろうか。

菱田春草_伏姫
菱田春草《伏姫》(1900)
南総里見八犬伝の姫を描いたもので、朦朧体の代表的作品のひとつ。当時、「ぼかしが多く明快さに欠ける」と批判を受けたようだが、遠くからみると、それがガラスのような効果を生んで、画面全体、とくに水面が光ってとてもきれいだ。
ここの展示室は、真ん中あたりからほぼ全体が見渡せるので、そうしてみると、伏姫のほか、いくつかの作品がとくに浮き上がってきれいだった。

菱田春草_雨後筏図
菱田春草《雨後筏図》(1901頃)
雨上がりの、湿っているけれど爽やかな空気感が画面に表れていて、マイナスイオンを浴びるような心地よい気分になった。

菱田春草_かけす
菱田春草《かけす》(1910)
装飾性をまとった琳派の趣のある作品。そのせいもあるだろう、淡い色合いのなかにきらめくものが感じられる。

菱田春草_蓬莱山
菱田春草《蓬莱山》(1910)
近くでみたときにはそれほど感じるものがなかったのだけど、遠くからみると、とくに真ん中の山が自ら光を発しているかのようで、はっとするほど美しかった。

長男、菱田春夫氏の回想にあった、猫があまり好きではないと言っていた菱田春草に、代表作《黒き猫》(1910)など、猫をモチーフにした作品がけっこうあるというのがおもしろい。
朦朧体から装飾的画風へと、日本画の可能性を問い続けた画家、菱田春草。近代日本画の重要な位置を占める春草の変遷をたどることができる展示は、《鹿》(1909)などが出品される後期へと続く。

ここへは原宿から向かい、そのあと、代々木へ散歩を楽しんだ。途中、人気のすくない場所で、急にカラスがたくさん集まってきて、ヒッチコック状態になって、かなりびびった。子育ての時期でなくて助かった。


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