「 ―VOCA賞受賞― シナプスの小人 三瀬夏之介展」を
新宿タカシマヤ美術画廊でみた。
若手注目作家、三瀬夏之介の作品を一度みてみたいと思っていた。今年はじめの
佐藤美術館での「三瀬夏之介展〜冬の夏〜」には行けなかったけど、すぐにみるチャンスがやってきた。
最近の作品は和紙に墨、胡粉や箔を用いた作品が中心のようだ。
板の背景に、山や雲、月を描いた和紙を切り取って貼り付けた《山水》と題された数点の小品はとてもおもしろく感じた。なるほど、山水だ、って感じで。とくに金箔の月がいい具合に輝いていてきれいだった。
いちばん気に入ったのは、和紙3枚で構成された《笑月》と二曲一双屏風《J》という大作2点。
何を描いているのだろうと思いつつ眺めているうちに、何か心地よさのようなものが感じられて、何が描かれているかなんてことはどうでもいいんだと思えた。
和紙の暖かみのようなものと、墨とほんの少しの彩色。墨はややもすると冷たく仕上がったりするので、こういうほわっとした印象を受けるのは珍しいかも。
独自の世界観で構成し、物語を紡いでいるようで目に楽しい。
6月7日午後2時から作家によるギャラリートークがあるそうなので、興味のある方はぜひ。