ブリヂストン美術館で
「美術散歩 印象派から抽象絵画まで」をみた。
コレクション展なので、初見の作品はほとんどなかったと思うが、みるときが違えばみえ方が違うもので。
カミーユ・コロー《森の中の若い女》(1865)
以前にもみているはずなのに、それほど印象がなかったのか、あまり覚えていない。が、今回は、
コロー展をみたせいだろうか、ぐぐっと惹き付けられた。女性の恥じらうようにやわらかに微笑んだ姿がとても魅力的。背景の森とのコントラストもきれい。
ピエール・ボナール《ヴェルノン付近の風景》(1929)
ボナールが印象派に傾倒していった頃の作品らしいが、色や線の描き込み方がより構成的で、印象派とはまた違った独創性を感じた。
国吉康雄《夢》(1922)
暗めの画面なのに、伸びやかな艶があって、こんなにきれいな絵だったかなと驚いた。どういう夢を描いたものなのかわからないが、不安感のようなものは感じない。
藤島武二《東海旭光》(1932)
それほど関心がなかった藤島の風景画だったけど、絵を素直にみてみると、迷いがないようなすっとした画面と色がとても魅力的にみえた。
今まで現代画を集めた部屋だったところに、いつもはばらばらの部屋に散っていた近代日本洋画が集められていて、なかなか壮観だった。そのせいで、また違ったふうにみえる絵がたくさんあったのかもしれない。
あまり代わり映えのしない作品ばかりだなとか思うものではないですね。いつどんなときでも発見があるということをあらためて感じた展覧会でした。