出光美術館で
「乾山の芸術と光琳」(11月3日-12月16日)をみた。
やきものにはそれほど興味がないので記事にしようか迷ったけど、せっかくみてきたので、とりあえず書いてみることにした。
美術館に出かけるようになる前は、尾形光琳のことは知っていても、弟の乾山のことは名前しか知らなかった。今回の展覧会では本阿弥光悦や野々村仁清らと尾形兄弟とのつながりや系譜がよくわかる展示になっていたので、興味深かったし大変勉強になった。
さて、作品について。
乾山の作品はどれも独特のセンスがあって魅力的に感じる。
とくに驚かされたのは、
尾形乾山「色絵紅葉文壷」だ。チラシにも掲載されている。紅葉をデザイン化した赤青黄などの星型が描かれ、現代アートかと思うようなポップな感じだった。新しいものをやろうとしても、すでに過去にあるというのはこういうことかと思った。
そして今までにみてきたものも含めて、乾山作品でいいなと思うのは
透彫反鉢だ(やきものの名前はなかなか覚えられないけど、これは反町から連想するので忘れない)。まず、淵の反ったところなど、形にとても魅了される。そこに穴が開いていて、光の加減などでさらに魅力を増すのだろう、と勝手に想像する。概して明るめの色付けが浮き浮きした気分にさせてくれることもある。今回もいくつかの透彫反鉢が出ていた。
最後に、出口近くの写真。出光の展示ではいつも解説パネルがあって、楽しませてくれるが、今回は乾山の作品に料理が盛られた写真が掛けられていた。どうやらそういう企画本からもってきたようだったけど、やはり器や皿は料理を盛ったりするものだということに気づかされる。器や皿がさらに魅力的にみえるし、料理もおいしそうにみえる。食べなくてもいいから、一度本物をみてみたいと思わせてくれた。