マティアス・ゲルネ「シューベルト三大歌曲集 3 《白鳥の歌》」を
東京オペラシティ コンサートホールで聴いた。
・ベートーヴェン:歌曲集《遙かなる恋人に寄せて》 op.98
・シューベルト:歌曲集《白鳥の歌》D.957
ピアノ伴奏はアレクサンダー・シュマルツ。
ゲルネのバリトンの美しく艶やかで情感あふれる歌声と豊かな声量、それにシュマルツのやさしく歌うようなピアノがお互いを高めあっているようで、とてもすばらしい出来栄えだった。拍手の熱狂がそれを物語っていた。ゲルネが歌う同じプログラムのCDを聴いて予習していたのだけど、生はその何十倍も感動的だった。
シューベルト最後の歌曲と考えられている「鳩の便り」もアンコールで聴くことができてうれしかった。《美しき水車小屋の娘》と《冬の旅》も聴きたかったな。
コンサートは久しぶりだったのだけど、またちょくちょく出かけたいと思った。連れ合いが残業続きで、平日に予定を入れられないし、週末は美術展に出かけたり、用事があったりで、なかなかタイミングよく行けないのだけど。
音楽と美術の関連性のことがよくいわれる。音楽に親しむことで、絵画をみるときにいい影響がでるのではないかと期待してるのだけど、どうなんだろう。絵をみると必ず音楽が響く人がいるようなことを聞いたことがあるけど、残念ながら私はそういうことがあまりないし。音に色がついて見える人もいるそうだが、どういう世界なのかな。
ところでシューベルトは当時ほぼ無名だったとか。流行に乗っていなかったかららしい。でも、当時流行の作曲家たちのことを後の世では誰も知らないけど、シューベルトは偉大な作曲家として知られる。画家の場合もよくあることだけど、芸術家の人生って難しいなあ、とあらためて感じる。今もてはやされている美術家たちの将来はどうなるのだろう。