メトロのイエナ駅から地上に出ると、目の前に
ギメ東洋美術館の建物がありました。
太田記念美術館での
「ギメ東洋美術館浮世絵名品展」の写真でみた、少々古めかしい建物でした。ところがなかは、内装が新しいのか、白くてきれいで、近代的な感じで驚きました。
入場してふと見ると、地下にレストランがあるようだったので、残り時間も気になることだし、まずランチをとることにしました。東洋美術館という場所柄でしょう、アジアな料理を出すところでした。
店頭に出ているメニューを見てもよくわからないので、どきどきしながら入りました。出されたメニューを『旅の指さし会話帳』やらを開いて解読するのですが、いかんせん、載っている単語数が少ないのでまるで謎解きのようになりました。
コース料理もありましたが、時間的に厳しそうだったので、単品メニューを決めて注文。飲み物はどうなさいますか?という質問を見事聞き取った連れ合いのがんばりのおかげでうまくいきました。
すぐ隣ではフランス人らしき夫婦がコース料理を楽しんでいました。前菜に小龍包のようなものが小さめのセイロで出てきた後、メインはなんとヤキトリ!!でした。白いプレートに盛られたごはんにの横に、串に刺さった大振りの焼き鳥が2、3本、うやうやしく鎮座しているのを見たときは、思わず吹き出しそうになりました。
食事が終わるともうあまり時間がありませんでした。そこで、日本美術のあたりだけみることにし、階段を上りました。
展示中のものは、抱一らの掛け軸、歌麿らの浮世絵あたりがメインでした。
そこで今回の一品。
尾形光琳《菊図屏風》(タイトルは勝手につけました。「光琳菊」という言葉があるくらいですから、あたらずとも遠からず、かな)。
渋い色に、菊の白さや厚みが加わって、全体的なバランスも美しい屏風でした。ほとんど誰もみていかないのでしばらく独占させていただきました。パリですから、普段よりも日本を感じました。
日本の美術品のところはとりあえず1周して、さらに上の階に行くと、窓からパリの風景が見渡せました。なんとなく見納めという感じがして、寂しさを感じました。
これにて美術館めぐりは終了。メトロでホテルに戻り、荷物をピックアップして空港に向かうバスに乗り込みました。
シャルル・ドゴール空港には余裕を持って到着したのですが、ガイドブックに書かれているのとは大違いで、ろくな店がなく、暇つぶしもできなくてがっかりしました。
以上でパリ旅行終了――となるところですが、あと少し続きます。