間もなく2006年も終わりますので、今年を振り返ってみます。
自分自身が絵に親しむために、絵にまつわることを書いてみようという単純な動機でこのブログを始めたのが6月ですから、まだ半年ちょっとです。自分なりに想像していたことと違って、いつの間にか展覧会に出かけた記録が中心になりました。
今年半ば以前は、絵の展覧会に出かけることはたまにでした。まさかこんなに頻繁に出かけるようになるとは思ってもいませんでした。何よりこれほど絵が好きになるとは。
さて、印象に残った10の展覧会をどうにか選んでみると、時系列で次のようになりました(ブログ開始以前の展覧会は入っていません)。
プラド美術館展(東京都美術館)
このブログ最初の展覧会ということで。ムリーリョ《エル・エスコリアルの無原罪の御宿り》と《貝殻の子どもたち》がとくに印象に残りました。
プライスコレクション 若冲と江戸絵画展(東京国立博物館)
若冲のことは知りませんでしたが、想像を超えるユニークな絵ばかりで驚きました。光の変化で絵をみせる展示が新鮮でした。この頃の記事はまだなんだかあっさりしていますね。
安彦良和原画展(八王子市夢美術館)
安彦良和うまいです。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の連載開始を聞いたときには、「夢が叶った」と叫びだしたいくらいでした。
花鳥の詩(山種美術館)
花鳥画の魅力にはまりました。日本画の原点があります。
ベルギー王立美術館展(国立西洋美術館)
質量ともに素晴らしい展覧会でした。400年を追って、ベルギー美術の歴史を感じました。マグリット《光の帝国》には惚れ惚れしました。
国宝 風神雷神図屏風展(出光美術館)
俵屋宗達作の力強さと迫力に圧倒され、吸い付けられました。またしても日本美術の奥深さと底力を知ることになりました。図録の魅力にも触れることができました。
国宝 伴大納言絵巻展(出光美術館)
屏風絵とはまったく違う絵巻の世界。謎解きをしながら、等身大パネルなどを使ってみせる工夫もよかった。
ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展 江戸の誘惑(江戸東京博物館)
版画のイメージに占められていた江戸絵画を肉筆画で楽しめる幸せ。他の作家とは別格の北斎の凄さを再確認できた展覧会でもありました。日本から海を渡ってしまった作品たち。
揺らぐ近代:日本画と洋画のはざまに
企画のよさが光る展覧会。多様な作品の魅力を一層引き出していたと思います。企画で言うと、「
素描する人々―或る日の洋畫研究所」(目黒美術館)も、地味ながら目の付け所がよかった。
竹久夢二 音楽デザイン帖 〜抒情のリズム、大正ロマンの調べ♪〜展
竹久夢二のグラフィックデザイナーとしての才能に接することができたのが収穫でした。
こうしてみると、いろいろな展覧会があるものだなとあらためて思います。みなさんから教えていただいたりしたおかげで、世界が広がりました。本当にお礼申し上げます。
来年もよろしくお願いします。
そして、良いお年をお迎えください。