「国宝 風神雷神図屏風」展をみに、日比谷の
出光美術館に行ってきました。
土曜日。出かけるのが遅くなって、地下鉄日比谷駅から地上に出ると、行列してました。エレベータ前から建物の外まで。時間をあけたからといってどうなるかわかりませんでしたが、もうひとつ予定していた相田みつを美術館を先にみに行くことにしました。すぐ近くですし。
相田みつを美術館
こちらも初めて。「開館10周年記念特別企画展」の前期が開催されていました。「ぐるっとパス2006」で入場。
連れ合いも私も、相田みつをについては何も知らないに等しい。まず、多くの人が訪れていたのに驚き、幅広い年齢層ですが、とくに若い人が多いのに驚きました。
平易なことばで書かれた特徴的な書をテレビや雑誌で目にしたことはありましたが、言葉よりも見た感じのほうが気になりました。
《秋雨に》と題された短歌は、独特の勢いのある筆に対して、風景が鮮明に浮かぶような歌の対比が美しい。
《人間思慕》は、ろうけつ染めだからか、背景と文字の組み合わせがとてもきれいでした。
ひととおりみた後、カフェで一休み。コーヒーが200円。きれいで落ち着いた造りで、ゆっくり寛ぐことができました。
引き続き第2ホールをみて、いざ出光美術館へ。
国宝 風神雷神図屏風 −宗達・光琳・抱一 琳派芸術の継承と創造−
がくっとくるくらいに並んでいました。さきほどの2倍はあろうかという行列。一瞬だけ躊躇しましたが、もう来られないかもしれないので、覚悟を決めました。
エレベータで上がって、「ぐるっとパス2006」で割引してもらって入場。アミューズメントパークの入場待ちのようにロープ内をとぼとぼと進みます。5人ずつ入場させられていました。ようやく入ると、俵屋宗達の《国宝 風神雷神図屏風》には人が群がっていました。後ろからなんとか隙間を探してあちこち覗きました。
なんと力強く迫力のある描写でしょう。そして渋い色が金屏風に溶け込んでいる様子が素晴らしい。かなわぬ願いながら、ずっとみつづけていたいと思いました。
尾形光琳のところへ移動すると、すでに余裕でみられました。そうなるともう一度、宗達をみないわけにはいかず、また戻ると、今度はちょっと空いていました。宗達は素晴らしいと感心しながら、光琳をみて、酒井抱一へとまわりました。こちらもじっくりみることができました。後ろでは、各部の違いを解説したパネルに人が群がっていて、本作のほうをみている人のほうが少ないというギャップが笑えました。
琳派芸術の継承と創造
こちらへ移動すると、さらに人が少なくなっていて、入場するときあんなにたくさんの人がいたのに一体どこへ行ってしまったのでしょう。
酒井抱一《燕子花図屏風》。こんな構図ありなの、という感じで美しい絵です。蜻蛉の存在も効いています(比べちゃいけないけど、きのう「
ウィーン美術アカデミー名品展」でみた静物画の蠅とは大違い)。
《月に秋草図屏風》(伝 俵屋宗達)に描かれた可憐な花の美しさに感激しました。<金屏風に草花>こそ日本絵画の定番なのでは、と感じました。抱一《夏秋草図屏風草稿》をみると、《夏秋草図屏風》をみに東京国立博物館にすぐにでも行きたくなりました。
ポストカードは宗達の<風神>と<雷神>の2枚。そして2冊組みの図録を買いました。
宗達《風神雷神図屏風》をみるだけで価値のある展覧会ですね。