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2017.04.29 Saturday
JUGEMテーマ:アート・デザイン
「オルセーのナビ派展:美の預言者たちーささやきとざわめき」三菱一号館美術館
オルセー美術館のナビ派コレクションからやってきた作品たち。3つの見どころとして挙げられているなかに、「日本で初めて本格的に紹介」とあり、たしかにナビ派作品を一堂に集めたのはなかなかなかったのかもしれない。けど、個々の作品はオルセー美術館展2010など、これまでいろんなところでみてきた。10年前にオルセーを訪ねたときの記事もよかったらついでにご覧あれ(あまり関係ないけど)。
ナビ派ってどのあたりまでがそうなのか、まだよくわかってないけど、好きなタイプの作品というのはわりとはっきりしていて、時期でいうと、1890年前後数年間のもの。
とくに好きなのが、ポール・セリュジエ《タリスマン(護符)、愛の森を流れるアヴェン川》。これはこれまで何回か観ていて、今回、今まで以上にその配色や構成の美しさに感心した。それと、モーリス・ドニ《磔刑像への奉納》。初見だったが、輪郭線できれいに色分けされた色と形のバランスに見惚れてしまい、小さな作品だけに隅々までしつこく眺めた。
ピエール・ボナールの掛け軸のような縦長の作品、たとえば《庭の女性たち》シリーズはどれも観ていて落ち着くし、フェリックス・ヴァロットン《ボール》やエドゥアール・ヴュイヤール《ベッドにて》のように、いつも何かしら発見のある作品も驚きだ。ドニの《ミューズたち》も魅力的で気に入っている。
いま挙げた作品はすべて1888年から1893年のあいだに収まるのだから、その頃の表現がとくに好きなんだろう。
目に見えるものと内面性を独特の描写をもちいて表現したナビ派の芸術を伝えるこの展覧会が、今後ますます注目されるであろうナビ派を本格的に紹介した先駆けとして、後に振り返られるものになっていればうれしいな。