出光美術館「酒井抱一生誕250年 琳派芸術―光悦・宗達から江戸琳派」 第1部 煌めく金の世界 2011年1月8日-2月6日
第1部は光悦・宗達から光琳が中心。本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵<蓮下絵百人一首和歌巻断簡>から始まる。宗達金銀泥下絵の頂点とされるものだが、絵と文字が絡まり合うことで、さらなる高みをみせてくれる。
その表現によって宗達本人の手が入っていると確信されている、俵屋宗達<扇面散貼付屏風>に続いて、金屏風たちが姿を現す。
同じく宗達自信が描いたという説がある伝俵屋宗達<月に秋草図屏風>。宗達派を示す「伊年」印<四季草花図屏風>などの作品と比べると、余白の味わいなど、やはり空間の処理が違う気がする。
伝尾形光琳<芙蓉図屏風>。初見だと思う。芙蓉の群生する様を銀泥などで描いて、黒化してしまっているが、芙蓉の配置に独特の緩急がみられる。もともと六曲一双のものを六曲一隻に改装したものらしいが、美しいリズムにしばらく見惚れる。今回の収穫。
人物を描いた尾形光琳<太公望図屏風><白楽天図屏風>、その間に展示されていた伝尾形光琳<禊図屏風>の3点ともにすばらしいもの。
最後に琳派の水墨画。
斬新な構図と空気感がすばらしい俵屋宗達<墨梅図>、そしてそれに呼応するような構図に抱一らしい情緒が加わった酒井抱一<白蓮図>が光っていた。伝俵屋宗達<龍虎図>、尾形光琳<竹虎図>などのユーモラスな作品、かっちりした印象の水墨画、鈴木其一<雑画巻>も。
ほとんどの作品は過去の琳派展などでみている。それでも足が向いてしまうのが、琳派の吸引力なのだ。
第2部は酒井抱一を中心とする江戸琳派。楽しみだ。