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2010.12.11 Saturday

カンディンスキーと青騎士@三菱一号館美術館

三菱一号館美術館「レンバッハハウス美術館所蔵 カンディンスキーと青騎士」
2010.11.23-2011.2.6

カンディンスキーと青騎士
モスクワからミュンヘンに出て抽象絵画の先駆者となったカンディンスキーの、抽象絵画へと至る道程を、「青騎士」の名の下で共に活躍した作家たちの作品とともに辿る展覧会。グループのメンバーで、カンディンスキーの愛人だったミュンターによって寄贈された仲間の作品が、レンバッハハウスの青騎士コレクションの中核となっている。





ミュンヘン新芸術家集団協会の展覧会へのカンディンスキー《コンポジションVの出品が、その急進さゆえに拒否されたことが、カンディンスキーたちの協会からの脱退、「青騎士」と呼ばれる表現主義的な特徴をもつ芸術運動へとつながる。「青騎士」の活動は第一次大戦前夜のわずか3年ほどに過ぎなかったが、その後の現代美術の先駆的な役割を果たした。
「青騎士」の名は、マルクが好きな<馬>、カンディンスキーが好きな<騎士>、ふたりともに好きな<青>から生まれたという。


序章では、肖像画家として大成功を収めていたレンバッハと、カンディンスキーが師事したシュトゥックが紹介される。レンバッハハウス美術館は元はレンバッハの住居兼アトリエだった。

第1章「ファーランクスの時代―旅の時代 1901-1907年」
ミュンヘンのアカデミックな授業に飽き足らないカンディンスキーが芸術家集団ファーランクスを立ち上げ、そこに加わったガブリエーレ・ミュンターらとともに、旅をしていた頃の作品たち。

ヴァシリー・カンディンスキー《ミュンヘンーイーザル川》
カンディンスキー_ミュンヘンーイーザル川
ほかに《シュヴァービング、ニコライ広場》など。これらの作品をみた瞬間、美しい色で大胆に構成された作品に目を、心を奪われ、これだけでこの展覧会に来たかいがあった、と心から思った。カンディンスキーが到達した抽象画も好きだが、そこに至るまでの過程で生み出した数々の作品の多くが、好みに合うものだった。





ヴァシリー・カンディンスキー《花嫁》
カンディンスキー_花嫁
おとぎ話のようなモチーフ。この花嫁をめぐるどんな物語があるのだろうと考えずにはいられない。
イワン・ビリービンの絵本が頭に浮かんだのだから、やはりロシアが舞台となった絵物語のように感じたのだろう(というか、遠景のネギ坊主を見ると、考えるまでもなくロシアなんだろうけど)。

ロシアといえば《「日曜日<古きロシア>」のためのスケッチ》も、まさに古きロシアに想いを馳せるような、穏やかな美しい絵だった。




第2章「ムルナウの発見―芸術的総合に向かって 1908-1910年」
新しい美術への飛躍となる時期。カンディンスキーとミュンターはミュンヘンに近いムルナウを発見、そこにヤウレンスキーとヴェレフキンを呼び寄せ、4人で制作を行うなかで、カンディンスキーは抽象への第一歩を踏み出した。

ヴァシリー・カンディンスキー《ミュンヘンー郊外》
カンディンスキー_ミュンヘンー郊外
鮮やかな色と近景から遠景に至るまっすぐな構成が美しすぎる。ひとつひとつのタッチをよく見ると、もやもやしているが、全体を眺めたとき、そこに浮かび上がるのはやさしい色の塊だ。

ほかに、カンディンスキー《ムルナウ近郊の鉄道》アレクセイ・ヤウレンスキー《夏の夕べ、ムルナウ》など。




第3章「抽象絵画の誕生―青騎士展開催へ 1911-1913」
ミュンヘン新芸術家協会の脱退と青騎士展の開催、年鑑『青騎士』の出版。青騎士の理念が脚光を浴びる。

フランツ・マルク《虎》
マルク_虎
周囲と一体化しているように直線的に描かれていても、紛れもなく虎。黄色で描かれているので雌だ。孤高の存在のようでいて、目には優しさが宿っている。動物を愛したマルクの、動物への尊敬の眼差しが感じられる。色の配置がこの絵の魅力と存在感のすべてと言っていいように思う。

ほかに、カンディンスキー《印象III(コンサート)》《「コンポジションVII」のための習作》など。


アウグスト・マッケ《遊歩道》
マッケ_遊歩道マルケとは違って、柔らかな曲線でさっぱりとしたところが魅力的。とくに中央の女性が持つ日傘の白が画面に明るい装いをもたらしている。ここに反映されているのは穏やかな内面だろうか。

マルケもマッケも第一次大戦に従軍して、それぞれ36歳、27歳の若さで戦死している。




青騎士の運動に至るカンディンスキーとその仲間たちの活動を振り返る本格的な展覧会。あらためて自分はカンディンスキーが好きだったんだ、と気付かされた。描く対象に自らの内面をいかに反映させるか、そしてそれらをどうバランスをとっているのか。具象から抽象へと変化するカンディンスキーの試みを、順路に従っていくだけで感じ取れるような、そんな図々しい心持ちになれる展覧会だった。


近頃は短くてシンプルな記事を目指しているのに、久しぶりに長くなってしまった。まあ、そういう気分のときもある。
長くなったついでに余談。カンディンスキーと聞くと、同級生が卒論のテーマにカンディンスキーを選んだと聞いて画家という以外に何も浮かばなかった当時の無知な自分のことを必ず想い出す(今も大差ないけど)。きっと死ぬまで忘れないだろうと思うと、なんだか悲しいようなおかしいような。

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「カンディンスキーと青騎士展」チラシ画像はヴァシリー・カンディンスキー「印象?(コンサート)」1911年 三菱一号館美術館で「カンディンスキーと青騎士展」を観てきました。「レンバッハハウス美術館所蔵」とあります。行ったのは12月10日の夜、2週間ちょっと前
  • とんとん・にっき
  • 2010/12/30 12:03 AM

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