2010.06.13 Sunday

オルセー美術館展2010(新美)

 国立新美術館で開催中の「オルセー美術館展2010 ポスト印象派」をみてきた。

オルセー美術館展2010
2010年5月26日-8月16日

開幕からわずか半月で入場者10万人を突破した展覧会なので、いかに混雑を避けるかというのが最大のテーマだったりする。
というわけで、閉館近くを狙って、16時半に入場。まだまだ混みあっていたけど、想定内。一周りして出発点に戻ったのが17時15分頃。入口近くはほとんど誰もいなくて、もう一度好きな作品を最後までじっくり堪能した。閉館15分前に切り上げて、残りの時間はショップで。
土曜日だったので、日曜日の閉館近くならもっと空いているかも。

第1章 1886年―最後の印象派

最初に展示されていたカミーユ・ピサロ《ルーアンのボワルデュー橋、夕日、靄のかかった天気》(1896)はきれいな絵で、まさかピサロだとは思わなかった。ピサロといえば、細かなタッチを重ねた作品のイメージがあって、どちらかと言えば苦手なので。

出品されていたモネ作品のなかで好きなのは《ノルウェー型の舟で》かな。水と人がいるとか、川の色がきれいだとか、そういう単純な理由。

第2章 スーラと新印象主義

点描技法で描かれた絵はとにかく苦手なので、どうしても魅力を感じない。一点一点みたものの、みただけ。

第3章 セザンヌとセザンヌ主義

セザンヌの作品のことは、以前は大好きだと言えたのだけど、今は、好きなのとそうでもないのとに分かれる感じ。《台所のテーブル(篭のある静物)》(1888-90)、《たまねぎのある静物》(1896-98)はいいなと思い、ふと考えると、ああ色が好きなだけなんだと気づく。サント=ヴィクトワール山を描いた作品でも、ブリヂストン美術館の《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》は青色の美しさが印象的で、結局のところ、セザンヌの何がすばらしいかではなくて、色に惹かれているだけかもしれない、と。

第4章 トゥールーズ=ロートレック

わずか3点で一章が構成されている。ほかに組み入れることができなかったというわけなら、それだけ強い個性があったということだろう。

第5章 ゴッホとゴーギャン

全体を通しても人気の場所。とくに、ゴッホ《アルルのゴッホの寝室》(1889)、《自画像》(1887)、《星降る夜》(1888)と並ぶあたりの人だかりといったら。
ゴーギャン《《黄色いキリスト》のある自画像》(1890-91)にも群がっていた。

第6章 ポン=タヴェン派

第5章までは期待どおりだったけど、本展に対する個人的な期待はこれから。
今回の発見のひとりがここで登場。

ポール・セリュジエ《花ざかりの柵、ル・プルデュ》(1889)
セリュジエの名前は聞いたことがあったし、みたこともあるんだろうけど、とくに思い浮かべられるようなものは何もなかった。
この絵には何か惹かれるものがあった。親しみのある描写とでもいえるだろうか。

第7章 ナビ派

セリュジエ_タリスマン
ポール・セリュジエ《護符(タリスマン)、愛の森を流れるアヴェン川》(1888)
大胆な色で平坦に塗られた、抽象画風の風景画。ゴーギャンの指導を受けて、目に映った感覚のままに自由に描いたこの新しい画からナビ派が生まれた。

そしてド二祭。これがド二だよな、と思わず目の中に☆が入ってしまうような作品が4点並んでいる。

ド二_ミューズたち
モーリス・ドニ《ミューズたち》(1893)
ド二_木々の中の行列
モーリス・ドニ《木々の中の行列(緑の木立)》(1893)
さらに《ペロス=ギレックのレガッタ》(1892)、《カルヴァリオの丘への道》(1889)と、神話的なモチーフから日常の光景までが、装飾的、デザイン的に柔らかで美しい色面で構成されている。

ピエール・ボナール《白い猫》(1894)にも、また出会えた。

第8章 内面への眼差し

象徴主義とナビ派が交錯する展示。

ルドン_目を閉じて
オディロン・ルドン《目を閉じて》(1890)

モロー_オルフェウス
ギュスターヴ・モロー《オルフェウス》(1865)
ゴッホに負けない人気で、最後まで人だかりが絶えることがなかった。とにかく画面はきれいだし、美男美女の造形には文句あるまい!ってことで。オルフェウスの後日譚を想像し、作品にするモローのイマジネーションに脱帽。

ヴュイヤール_ベッドにて
エドゥアール・ヴュイヤール《ベッドにて》(1891)
セリュジエともうひとりの発見がこのヴュイヤール。
眠る姿に内面への探求を描き出そうとしたのだろうか。

クノップフ_マリー・モノン
フェルナン・クノップフ《マリー・モノン》(1887)
女性がまとう孤独が画面から冷たく滲み出してくるよう。

第9章 アンリ・ルソー

ルソーって想像以上に人気があってびっくり。

第10章 装飾の勝利


例えば3年前のオルセー美術館展と比べても、今回の展覧会は別格。
オルセー美術館の所蔵作品がこれだけ揃ってフランス国外を巡回するなんてことは、大規模改装という事情がなければ実現しなかっただろう。改装が終わると、いつになるのか、次の大規模改装までないはずだから。
混雑ぶりもなかなかだったけど、展覧会場が広いので、それほどストレスにはならなかったし。

個人的にはド二祭、ナビ派祭だった。
ショップではiPhonケースに物欲が湧いたものの、iPhoneユーザでないことが幸いし、ポストカードだけ購入。ド二《木々の中の行列》が描かれたiPhoneケースは入荷待ちになっていた。


2017.06.11 Sunday

スポンサーサイト

  • posted by スポンサードリンク|
  • -|
  • 21:42
  • -|
  • -

関連する記事
コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック
国立新美術館で「オルセー美術館展2010 『ポスト印象派』」を観てきました。「ポスト印象派」、なるほど、「後期印象派」では、「印象派」の「後期」ということなので、厳密に「印象派」の次に来るという意味で「ポスト印象派」ということなんですね。「建築」の分野で
  • とんとん・にっき
  • 2010/06/23 1:07 AM

CALENDAR

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>

ENTRIES

CATEGORIES

SEARCH THIS SITE

ARCHIVES

RECENT COMMENT

  • 栄西と建仁寺@トーハク
    キリ
  • 栄西と建仁寺@トーハク
    奈良県PR担当の油井と申します
  • タルコフスキー『ストーカー』をめぐるいくつかのこと
    キリ
  • タルコフスキー『ストーカー』をめぐるいくつかのこと
    あべ
  • 2011年の美術展ベスト5
    AR
  • 2011年の美術展ベスト5
    はろるど
  • 歴史を描く@山種美術館
    AR
  • 歴史を描く@山種美術館
    遊行七恵
  • 2010年の美術展ベスト10
    AR
  • 2010年の美術展ベスト10
    すぴか

RECENT TRACKBACK

RECOMMEND

LINKS

PROFILE

twitter

スマートフォン

OTHERS

MOBILE

qrcode

POWERED

無料ブログ作成サービス JUGEM

SPONSORED LINK