2009.10.10 Saturday

安野モヨコ展 レトロモダンな世界

 「安野モヨコ展 レトロモダンな世界」弥生美術館でみた。

安野モヨコ展

安野モヨコの漫画は読んだことがない。安野モヨコ原作漫画をアニメ、テレビドラマ、映画にしたものもまったくみたことがない。
ただ、『オチビサン』だけは気に入って読んでいる。それと、安野が描いたイラスト、とくに女性を描いたものをたまに見かけて、ひと目でわかる特徴的で魅力的な絵が気になっていた。

そういう、安野モヨコのオチビサンや女性イラストが好きな人にはビンゴの企画だ。少し長いが、美術館HPの案内を引用する。
本展は、これまで安野モヨコが描いてきた漫画ではなく、ポショワールで描いたレトロモダンなイラストを中心とした展覧会です。
 ポショワールとはフランス語で、主に薄い金属版を型抜きし、その孔に合わせて上から刷毛で手彩色する技法です。英語のステンシル、日本では合羽刷りに相当しますが、ポショワールはそれらを極めて高度に技巧化した手法といえます。
安野は試行錯誤の末、独自の紙をイメージにあわせて自由に型抜きし、慎重に絵具を重ねながら彩色する、安野流ポショワールといえる手法を生み出しました。
 本展では、この技法を使って描いた『朝日新聞』(日曜版)での連載「オチビサン」の原画やスケッチ、新たに描き下ろしたレトロモダンな日本女性の新作イラスト等を展示し、安野モヨコの画家としての新たな一面をご紹介いたします。
まずはオチビサン。原画の色は当然ながら新聞紙面の色とは全然違って、とてもきれいな発色。毎回、イメージカラーを決めて描く手法の魅力が、原画でみると数倍にも感じられる。
オチビサンは連載開始当初、わりとストーリー性があって、漫画的だった。それが、回を重ねる毎に、作家の関心が季節感をどのように色で表現していくかに移ったように感じていたのだけど、たぶん、そうしたものへの関心とともに、それを表現するための、ポショワールという手法が洗練されていったことが影響しているのではないかと想像したり。オチビサンの最大の魅力は、オチビサンと仲間たちの日常が、季節の植物や風物詩とともに美しい色で描かれていることだろう。
原画とともに展示されているスケッチも楽しい。

レトロモダンな日本女性
安野モヨコの3枚入りイラストカードセットが3種類売られていて、全部買ってしまった。
安野モヨコ01安野モヨコ02安野モヨコ03
安野モヨコ04安野モヨコ05安野モヨコ05
安野モヨコ07安野モヨコ08安野モヨコ09
好みはあるとは思うけど、とても魅力的で美しい。魅力ある女性の背景にはデザイン化された植物たちが配置され、女性と背景の色が絡み合って一体化しているよう。

弥生美術館の3Fという小さな場所が、安野モヨコ色に染まり、とても魅力的な空間に変化していて、じんじんと感激した。なるほど、この美術館で開くわけがあるんだなと納得させられた。
それにしても"魅力的"という言葉を使い過ぎですね(反省)。ただ、単なるきれいさとかとは違うものを感じるので、なかなかほかの言葉が使えなかった。安野モヨコの絵の魅力は、少なくともこの展覧会でみるかぎり、長調的ではなく短調的なところにあるような気がしていて、僕の場合はそこに魅かれている。
たぶん、もう一度みにいくと思う。でも、出かけるのは10月30日発売予定の『蔦と鸚鵡ー安野モヨコ紙版画集』を手に入れてからにしよう。

蔦と鸚鵡チラシ

さて、弥生美術館1・2F展示室では「日本で愛された少女雑誌『少女の友』展」が開かれている。
明治41年から昭和30年まで48年の長きに渡って少女たちを魅了した雑誌を振り返る展示。読み物もおもしろかったのだろうが、変遷をたどる展示をみたところ、中原淳一らのイラストをはじめ、ビジュアル面がとくに人気を支えていたのだろうと想像される。付録もいろいろとあって、これは当時としてはなかなかすごいのではないかと思う。
少女雑誌はさすがに守備範囲ではないけど、なかなかおもしろい展示だった。「昭和少年SF大図鑑展」とは対極にある展覧会なだけに、客層も圧倒的に女性が多かった。


2017.06.11 Sunday

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コメント
キリルさん、こんばんは
実はキリルさんの記事を拝見するまで、ノーチェックな展覧会でしたが、行って正解でした。ありがとうございます。
コミックの原画というと原色とかもう少し華やかな色合いが多いと思うのですが、安野先生の版画はやわらかな色合いでとても良かったです。
女性たちのファッションや構図もかなりの好みでした。
それに「オチビサン」もとても可愛いですね。
かなりお気に入りの展覧会になりました♪
★アイレさん、こんばんは。
こちらこそ、きっかけにしていただいてうれしいです。
やわらかな色合いなのに華やかさがあってとても魅力的でしたね。ファッションを含めてオシャレだなーと。
オチビサンの世界は自分がどこかに置いてきた場所のような感じがして、懐かしんでいるだけではいけないのでしょうけど、とても心地よくて好きです。

今、『蔦と鸚鵡』をのんびり読んで楽しんでいます。
  • キリル
  • 2009/11/07 11:02 PM
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安野モヨコ展レトロモダンな世界11月1日 弥生美術館(〜12月23日)  安野モヨコといえば、美容本「美人画報」で体を張った涙ぐましいまでの体験記が自分にとっては馴染み深い作家さんなのですがいえいえ、本業は漫画家さんです。「ハッピーマニア」「働きマン」や
  • saxblue note
  • 2009/11/07 1:32 AM

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