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2008.12.07 Sunday

琳派から日本画へ(山種)

 「琳派から日本画へ ―宗達・抱一・御舟・観山ー」山種美術館でみた。

琳派から日本画へ

加山又造《裸婦習作》(1976)から始まる。装飾的な作品などから琳派的といわれるが、この作品に限らず、どうにも琳派を感じないのだけど。

福田平八郎の単純化されたデザイン画のような作品群には琳派の空気があるようなないような。でも大好き。もう何回もお目にかかっている《彩秋》(1943)や《筍》(1947)はもちろん、初見の《桐双雀》(1942)の切り絵のような味わいが楽しい。

前田青邨も琳派という点ではどうなのか僕には判断がつかないけど、《蓮台寺の松陰》(1967)のやわらかな墨の広がり、《大物浦》(1968)の嵐の海のダイナミックな描写にはとても魅力がある。

東博の大琳派展に出ていた俵屋宗達・本阿弥光悦《新古今集鹿下絵和歌巻断簡》にまた会えた。
伝俵屋宗達《槇楓図》にも再会、隣に並んでいたのは速水御舟《名樹散椿》(1929)。
速水御舟_名樹散椿
へたな画像では何も伝わらないくらいのすばらしさ。一分の隙もない出来映えにただ感嘆するのみ。その完璧にも思える隙のなさゆえに、もしかするとみているだけで息苦しさを感じる人がいるかもしれないと思うことがある。
ガラスにへばりついて実物をみながら、できることなら触ってみたいという変な願望がわいてきた。解説文に、背景に「撒きつぶし」(金砂子を何度も撒いては摺り潰していく技法)が使われていることが書かれてあったせいだろう。
より直球的に琳派を感じる《翠苔緑芝》が出ていなかったのは残念だった。スペースの問題なんかもあるし、《名樹散椿》と一緒に速水御舟ばかり展示するのは無理だろうなとは思うけど。

俵屋宗達・本阿弥光悦《四季草花下絵和歌短冊帖》もあったけど、ガラスケースのスペースの関係で18面中17面しか展示されていなかった。あと1面なのに・・・ということで、展示されていなかった「野草」。
宗達・光琳_四季草花下絵和歌短冊_野草

このほか、鮮烈というわけではないけど派手な色にびっくりさせられた荒木十畝《四季花鳥》、酒井抱一がこれをみて同じ画題で描いたと考えられている本阿弥光甫《白藤・紅白蓮・夕もみぢ》(三幅対)など、なかなか興味深い作品もあった。


琳派を意識して作風や技法を採り入れたのかどうかは別にして、琳派の心や技法が確実に現代に受け継がれていることを感じることができる。これは琳派だ、これは琳派じゃない、などと思いながらみていくと、琳派とは何ぞやということを含めて、いろいろ考えさせられる。

2019.09.17 Tuesday

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コメント
こんばんは(^^)

私も、夫と29日に行ってきました。今年の4月に、桜特集の時にも、行きましたが、まだ、御舟さんのことを知りませんでした。御舟の炎舞を今回、楽しみにしていましたが、展示されていなくて、残念でした。御舟も、屏風を描いていたんですね。見事な、椿でした。私も顔を、こすり付けて観てしまいました。又造・御舟・本阿弥光悦・福田平八郎・抱一も、美術の勉強をするまで、全然知らなかったので、勉強をして良かったと思うこのごろです。

キリルさんの、パリ美術館めぐり・・何回も、観させて頂いています。観ているだけで、楽しいです。ありがとうございます。

これからも、キリルさんの美術館めぐりを、楽しみにしています。
  • 千葉
  • 2008/12/07 11:35 PM
★千葉さん、こんばんは。
山種に通っていると、よく出会う作品がある一方で、滅多に出会えないものがありますね。僕もまだ10回程度ですが、炎舞には会えたのは一度だけです。来秋、移転後の速水御舟展にはきっと出品されると思うので、それまで楽しみに待ちましょう。
パリめぐりを楽しんでいただけてうれしいです。連れ合いもいまだに、パリは楽しかったなーとよく呟いています。
  • キリル
  • 2008/12/08 12:18 AM
こんにちは。
わたしもこの土曜日に見てまいりました。
わたしも近代の画家たちのどの部分が琳派かなと
考えながら見ていたのですが、
琳派といわれる画家たちの絵もかなり多様ですので、
もう何でもいいやという気持ちになりました。
こんにちは(^^)

10回も、行かれているんですね。
私は、まだ2回目でした。速水御舟展を楽しみに待ちます。
  • 千葉
  • 2008/12/08 2:29 PM
★一村雨さん、こんばんは。
どこが琳派なのかさっぱりわからない作品もあって、頭をひねりながら「何でもいいや」に近い気持ちにはなりましたね。で、最後は好きとか嫌いとか普通の感想になってしまいました。

★千葉さん、こんばんは。
山種で日本画のすばらしさに出会いました。最近ちょっとご無沙汰しましたが、だいたい展示が替わると出かけています。それでもまだ10回です。
  • キリル
  • 2008/12/08 11:18 PM
私も、日本画っていいな〜と思うこのごろです。

キリルさんは、どなたの絵画が、お好きでしょうか?

私は、日本画では成川美術館の牛尾武が、一番好きです(あまり、日本画は、知りませんが)牛尾武の「秋夕」を、見てから大好きになりました。

洋画では、モジリアーニの絵が好きです。
  • 千葉
  • 2008/12/09 4:42 PM
★千葉さん、こんばんは。
これはまた悩ましい問いですね。
絵をいろいろみているうちに、思った以上に好みが変化していきます。なので、今日現在ということになりますが、絞りに絞って俵屋宗達、速水御舟と言っておきます。本当のところは、例えば宗達の風神雷神図屏風が好きとか、どちらかというと作家より作品が気にかかります。
西洋画で今いちばん感心があるのはクリムトです。作品では、ブリヂストン美術館にあるセザンヌのサント・ヴィクトワール山が大好きです。
ふだんあまり深く考えていないことなので、この程度でお許しください。

牛尾武のことは知りませんでした。HPを覗いてみましたが、ダイナミックな風景画を描いているようですね。
  • キリル
  • 2008/12/09 11:56 PM
こんにちは。
琳派の流れでよかったですね。といいながら
先日平塚市美術館で見て、速水御舟に開眼した
ばかりで、御舟の《名樹散椿》にあえたことに
感動しました。それこそ長い時間なめるようにみて
いました。来年は《炎舞》にあえるとたのしみにして
います。
キリルさん、絞りに絞ってくださって、ありがとうございます。宗達も、御舟・・素晴らしいですよね。
私も、御舟が、好きになりました(この半年くらいで、はじめて知ったのですが)

人物は、クリムトで、絵は、セザンヌなのですね。ありがとうございます。悩ませてしまい、ごめんなさい。でも、お聞きすることができて、嬉しかったです。


  • 千葉
  • 2008/12/10 5:27 PM
★すぴかさん、こんばんは。
大琳派展-速水御舟展-琳派から日本画へ、と関連のある展覧会が同時期に開かれていて、それぞれに特徴があってとても良かったですね。
来年の山種はきっと驚かせてくれると期待しています。

★千葉さん、こんばんは。
一応絞っておきましたが、明日になればまったく変わっているかもしれません。絵をよくみるようになったばかりの頃はマネがいちばん好きだったかもしれません(今でももちろん好きですが)。
  • キリル
  • 2008/12/10 10:20 PM
こんにちは。

キリルさんが福田平八郎を
お好きなのは嬉しいな〜

大琳派展とは全く違った
テイストでありながら
かなり楽しめた展覧会でした。
★Takさん、こんばんは。
山種で出会った福田平八郎。みていると愉快な気持ちになれます。もともとデザイン性が強い日本画がさらにデザイン性を増していて、こういう絵が描けたらなあ!
大琳派展のスピンオフという感じでしょうか。

  • キリル
  • 2008/12/12 10:29 PM
こんにちは
今回はチラシそのものがキラキラしてましたね。
琳派から日本画へ、というタイトルにオヨヨなチョイスもありましたが、それはそれで「山種さん、豪勢に出さはったな〜」とニコニコでした。
福田平八郎の雀ちゃんがフクフクして可愛かったですね♪
  • 遊行七恵
  • 2008/12/18 3:24 PM
★こんばんは。
フクフクでしたねー!うんうん。筍はヌックリかな。
チラシを豪勢に飾っただけのことはありましたね。
このこぢんまりした空間がどういう風に変わるんだろうと楽しみでもありますし、さびしいような気もします。遊行さんは茅場町時代にたくさんご覧になってるんですよね、うらやましい。
  • キリル
  • 2008/12/18 10:41 PM
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