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2008.09.04 Thursday

画家 岸田劉生の軌跡(ニューオータニ美術館)

「画家 岸田劉生の軌跡 −油彩画、装丁画、水彩画などを中心に」ニューオータニ美術館でみた。

画家_岸田劉生の軌跡

笠間日動美術館のコレクションを中心に、油彩画、日本画、それに水彩、素描、装丁画など多彩な作品約70点によって岸田劉生(1891-1929)の幅広い活動を追っている。

I 油彩、水彩素描、日本画
岸田劉生は38年という短い生涯に、油彩画280点近く、日本が1000点近くを描いたが、水彩素描に至っては日本画を上回る点数だという。
ゴッホ、セザンヌらポスト印象主義に影響を受けた後、デューラーら北方ルネサンスの写実に傾斜し、やがて対象の存在感やその内なる本質に迫ろうとし、最後には東洋的な美に惹かれていったという。

はじめに全体の印象を記してみると、麗子像、写実的な静物や風景くらいしか知らなかった者としては、こんなにも変化しながら、多彩なジャンルの絵を描いていたのかと驚かされる展覧会だったといえる。

《築地居留地》(1913)
《代々木付近》(1913)
ポスト印象主義の影響が強く見られる油彩画。色面で構成しているあたりがゴーガンを感じさせる。岸田のこういう絵をみたのは初めて。

水彩ではこういう風景画も。
岸田劉生_代々木風景
《代々木風景》(1916)

2点の横長の装飾画。画風がまったく違う。
《第2回フュウザン会展会場装飾画》(1913)
解説にあったとおり、ムンクの表現主義的作風。
《第1回草土社展会場装飾画》(1915)
こちらはセザンヌの水浴画を思い出させるようなポスト印象主義的作風。

岸田劉生_静物
《静物(土瓶とシュスの布と林檎)》(1917)
バランスのよい構図とモチーフの組み合わせ。シュスの上の土瓶と惑星の配置は、まるで宇宙に浮かぶ太陽と惑星、あるいは首飾りのよう――なんて思えるほどに、艶やかな質感と光がすばらしい魅力をたたえている。

岸田劉生_童女図
《童女図(麗子立像)》(1923)
完成したとき、作家は出来上がりに満足していたようだ。個人的には東博の《麗子微笑》のほうがずっといいと思うのだけど。今回展示されていたいくつかの写真をみると、以前みた写真とは違って、麗子はとても愛らしかった。

岸田劉生_麗子十六歳之像
《麗子十六歳之像》(1929)
「浮世絵版画の大首絵を思わせる趣向」の縦長の画面。色鮮やかな油彩画なんだけどパステルのような雰囲気がある。なんか窮屈でおかしい。

《新富座寺子屋図》(1922)
板に油彩。作家が観た歌舞伎の場面を描いたもので、劇場の雰囲気がよく出ているが、枠があるためテレビ画面のようにもみえた。

このほか、墨版画に手で大まかに彩色した浮世絵版画《丹畫麗子像》、なんだかユーモラスな紙本彩色《童女煎茶》、楽しげな紙本墨画淡彩《七童図》、タイトルを聞いただけで誰もがコワさを想像してしまうだろう《寒山風麗子像》など、珍しいものがいろいろ。

こちらもおもしろい。
岸田劉生_猫図
《猫図》(1926)
初めてみて誰の作品と問われても、まさか岸田劉生とは思わない。
妖怪っぽい。

II 装丁画
劉生は70以上の本の装丁の仕事をした。武者小路実篤ら白樺同人の本を多く手がけている。
全体に、落書きのように肩の力を抜いたふうな素朴な味わいが感じられた。

劉生図案画集_奥付
『劉生図案画集』(1921刊)のうち奥付
この図案画集から雑誌の表紙など多数展示されていたが、実はこれは展示されていなかった。けど、さっぱりと可愛らしい雰囲気の麗子だったので。
このほかにも、麗子らしきモチーフの図案がちらほらとあった。

ここに取り上げただけでも、岸田劉生がどんどんと画風を変化させながら、幅広く制作していたことがわかる。岸田劉生の画業の変遷をおおまかに知るにはとてもおもしろい展覧会だった。

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