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2008.07.15 Tuesday

対決-巨匠たちの日本美術(前期)

「対決-巨匠たちの日本美術」(前期)を東京国立博物館でみた。

対決-巨匠たちの日本美術01 対決-巨匠たちの日本美術02

暑い夏に熱い対決。勝手に対決させられて巨匠たちは迷惑だろうけど、みる側からすれば、比較して楽しんだりできるので、ありかも。
僕自身は、対決をすこしは意識したけど、個人的には比較することに意味を感じなかったので、いつものように刹那的に、単純に好き嫌いでみていたような気がする。

運慶VS快慶

立体作品にあまり関心がないのだけど、魅力ある作品にはやはりはっとさせられる。運慶の座像と快慶の立像はそれぞれに魅力があった。
運慶《地蔵菩薩座像》(鎌倉12-13世紀)
繊細な襞などの技術的な表現はもちろんすばらしいが、全体をみたときに伝わってくる、その鮮烈な生命力に圧倒された。
快慶《死蔵菩薩立像》(鎌倉13世紀)
運慶の座像がエネルギーを外に放出しているとすれば、快慶の座像はあきらかにより様式的な美しさを秘めている。

雪舟VS雪村

雪舟_慧可断臂図
雪舟等楊《慧可断臂図》(室町1496)
強く惹きつけられるものがあるわけではない。なのにじっとみていると、人物や岩などが、それぞれに力をもってぐっと迫ってきた。よくみるととても構成的で、構図の力をみせつけられる。
雪舟等楊《四季花鳥図屏風》(室町15-16世紀)
技術の高さを感じさせる表現ばかり。後の花鳥画の原点のような作品なのではないかと勝手に思う。

雪村_呂洞賓図
雪村周継《呂洞賓図》(室町16世紀)
どこにも静止しているところがない独特の動きが爽快感をもたせてくれる。この作品には魅力を感じたが、《蝦蟇鉄拐図》のような、雪村の描く人物の顔は苦手。

永徳VS等伯

永徳_檜図屏風
狩野永徳《檜図屏風》(安土桃山16世紀)
絢爛たる力強さとでもいえるような圧倒的な力感は、永徳の漲る自信のあらわれのような気がした。
永徳_花鳥図襖
狩野永徳《花鳥図襖》(室町〜安土桃山16世紀)
これはとても繊細で、その他展示されていた作品と合わせて、永徳の力を実感させられる。

長谷川等伯《松林図屏風》(安土桃山16世紀)
今年の正月に初詣代わりにみにいった作品にまた出会えた。
あらためて湿った空気と松の調和の見事さを堪能した。よき理解者であった千利休と息子を相次いで失った後の作品ということで、これは単なる風景画ではなく心象風景を描いたものなんだと納得した。この絵から感じられる厳かな雰囲気はそこからきているのだろう。

長次郎VS光悦

もっとも人だかりがしていたのはこの対決だった。みなさん焼き物がお好きなようで。
茶碗に関しては、長次郎の艶のない素朴な味わいのほうがどちらかといえば好み。

鶴下絵三十六歌仙和歌巻_光悦/宗達
本阿弥光悦筆/俵屋宗達下絵《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》(江戸17世紀)
本来の対決から外れて、宗達+光悦であると同時に宗達VS光悦になっている。
鶴の飛翔の物語が金銀泥でデザインされた美しい絵巻。書のことはよくわからないが、お互いに高め合っている様が目に浮かぶ。

宗達VS光琳

琳派を代表するふたりは時代が重なっていない。光琳は宗達を継承し発展させようとしていたのだと漠然と理解していたが、どうやら、もう存在しない宗達と戦っていたようだ。

俵屋宗達《草花図扇面散貼付屏風》(江戸17世紀)
近く扇面に挑戦する予定なので、参考にしようと、花を中心にじっくり眺める。
花の配置や色など、何か特別輝くようなものがあるわけではないのに、素朴な味わいがある。扇面屏風って絵として考えた場合は微妙な形式だなと思っていたのだけど、離れてみてみると、そこに一つの小宇宙がみえて驚いた。背景とともに扇面が魅力を増していた。
俵屋宗達《蔦の細道図屏風》(江戸17世紀)
物語絵というものの枠を超えた意匠。後に琳派と呼ばれるようになる作家たちを代表するような緻密なデザイン性に満ちている。

狗子図_宗達
俵屋宗達《狗子図》(江戸17世紀)
キャラクター商品にしたらヒット間違いなし!? というぐらい可愛らしい子犬。たらし込みで子犬のころっとした体型が表現されていて、とくに腹のふくよかな感じが愛らしい。墨を自在に操る技術に瞠目する。

ここまでみて、かなりエネルギーと時間を費やしてしまっていた。後は簡単に。

仁清VS乾山

野々村仁清《色絵吉野山図茶壺》(江戸17世紀)
とても大きな茶壺。外側に描かれた吉野山の隅々まで心が配られている。壷の形が僕には完璧に感じられる。完璧なものには息苦しさを感じこともあるが、これはひたすら美しい。

尾形乾山《色絵紅葉図透彫反鉢》(江戸18世紀)
絵のデザインに合わせて鉢の形が決められたという斬新さが魅力。

円空VS木喰

円空の大胆な彫りと木喰のなめらかな彫りはまったく対照的。
それより、木喰が山菜や生の木の実だけを食す「木食戒」を受けていたということだったけど、それで93歳まで生きたということのほうに驚く。

大雅VS蕪村

どうも南画は苦手。いつかその良さに気づくことができるだろうか。

若冲VS蕭白

伊藤若冲《仙人掌群鶏図襖》(江戸1790)
緻密に描かれた鶏とデザイン的なサボテンの取り合わせが愉快。サボテンは注文で描かれた模様。

曾我蕭白《群仙図屏風》(江戸1764頃)
仙人たちの顔が気持ち悪い。どうにもこの系統の表現には馴染めない。

応挙VS芦雪

応挙_猛虎図屏風
円山応挙《猛虎図屏風》(江戸18世紀)左隻
猫だけど虎の毛の質感がすばらしくて触れそうなくらい。ヒョウは虎の雌と考えられていたとかで、右端のヒョウはやはり柔和な印象に描かれている。

芦雪_虎図襖
長沢芦雪《虎図襖》(江戸1786)
今にも襖から飛び出してきそうな迫力の割にはなんだか可愛らしいところに好感。やはりどうみても猫の動きにみえるからか。

歌麿VS写楽

ベストセラー作家の喜多川歌麿と一発屋の東洲斎写楽。歌麿をみていると、長く人気を保った理由がわかりそうな気がする。それに対して写楽は人気が1年も続かなかった。とはいえ、僕は写楽の方がずっと好きだ。大胆な表現に魅せられるからかもしれないが、何よりもユニークさが際立っている。

鉄斎VS大観

横山大観《雲中富士図屏風》(大正20世紀)
雲によって表現された遠近感と、なぜだかとても二次元的でのっぺりした青い富士が調和しているのが不思議。


この対決シリーズはどれもこれも見応えがあった。好き嫌いのせいでかなり偏った感想になっているが、それでもかなりの作品が印象に残ったという点で、対決という構成は成功していると思う。
最終週(8月11日-8月17日)には風神雷神図屏風対決なんかもあるし、この期間をねらって後期展示もみてみるつもり。

あ、そうそう、会場で山口晃が描いた巨匠バッジのガチャガチャをやってみた。
結果は尾形光琳。光琳その人に文句はないけど、大店の主人風キャラでやや微妙。
連れ合いがやってみたところ、長谷川等伯だった。挑戦者風でかっこいい。

2019.09.17 Tuesday

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コメント
こんばんは。

「対決」はあくまでもキャッチで
日本美術の素晴らしさを心から満喫する
大展覧会でしたね。忘れることないかと。
★Takさん、こんばんは。
たしかにキャッチですね。これで日本美術を好きになる人がたくさんでてくるといいなーと単純に思いました。
わざわざ対決させなくてもよさそうなものまでありましたけど。


  • キリル
  • 2008/07/19 1:04 AM
そうそう、この両者の対決は疑問と思えるのも
ありました。鉄斎・大観なんて取ってつけた感じでした。
★一村雨さん、こんばんは。
とくに同時代に活躍した作家の対決には見応えのあるものが多かったように思います。鉄斎・大観はシメとしてもどうだったのかな、と感じましたし。
  • キリル
  • 2008/07/20 12:56 AM
こんばんは
フルコースに満漢全席を加えたような、十の膳と言う感じでしたね。
食べすぎたけれどシアワセ〜〜という気分です。

>光琳その人に文句はないけど、大店の主人風キャラでやや微妙

うふふ、それで思い出しましたが、藤山直美さん主演の芝居で、夫の光琳役は中村梅雀さんでした。
  • 遊行七恵
  • 2008/08/13 11:00 PM
★遊行七恵さん、こんばんは。
もう終盤、いくつか入れ替わっているでしょうね。わざわざ「前期」と入れておきながら、果たして今週中に行けるかどうか微妙な状況ですが。

>フルコースに満漢全席を加えたような、十の膳

腹をさすりながらふーという感じでしょうか。豪華な食事でしたね。

中村梅雀さんなら朗らかな感じですけど、この光琳は一歩間違うと家老と結託して悪巧みをしそうです(時代劇の見過ぎですね)。
  • キリル
  • 2008/08/13 11:57 PM
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東京国立博物館で明日から開催される 創刊記念『國華』120周年・朝日新聞130周年特別展「対決−巨匠たちの日本美術」の内覧会にお邪魔して来ました。 下手をするとフェルメール展よりも楽しみにしていた展覧会がいよいよスタート。これだけ(「対決展」展示品リ
  • 弐代目・青い日記帳 
  • 2008/07/19 12:18 AM
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  • とんとん・にっき
  • 2008/08/13 10:16 PM
東博に行った。 『対決―巨匠たちの日本美術』 見に行く人々、多いなぁ・・・と東洋館のベンチから眺める。 最近東博の特別展はどれもこれ...
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