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2008.02.04 Monday

【みる】松井冬子のNarcissus

九段下の成山画廊で「松井冬子「Narcissus」」をみた。先月のことだ。

松井冬子のことを初めて知ったのは、たぶんテレビの情報で《夜盲症》のことを取り上げていたときだったと思う。その頃は頻繁に絵をみる習慣もなかったけど、なんとなく記憶に残った。
次の出会いは、美術展に出かける習慣がついて、東京藝術大学で開催されていた「自画像の証言」での松井の自画像。白というか白銀というか、髪がとても印象的で、強烈な個性を発していた。その後、ETV特集で「自画像の証言」が特集されていたときに、松井自身が自画像を語っているところがあって、やっぱりただ者じゃないと再確認。これくらい強いものがなければアーティストにはなれないのかもしれないという感想を、そのときにもったことを憶えている。

雑居ビルの2階にある画廊をようやく見つけて入ると、ワンルームマンションのような狭さでちょっとびっくりした(実際の展示スペースはさらに狭い)。

松井冬子《Narcissus》(2007) 絹本着色
一見すると西洋画によくある花の絵にみえた。近づいてみると、いくつもの花のそれぞれが別の動きをみせ、まるで自我のようなものを振りまいていて、不穏な雰囲気。
Narcissusとは、ナルシシズムの語源となったギリシア神話のナルキッソスのこと。松井はナルシシズムというものに常にこだわりをみせている。自分自身のナルシシズムについても相当に自覚的だ。
テーマはナルシシズム。
誰にだってナルシシズムがある。たぶん。それを自覚的に描くという行為はとても苦しいものであるように思う。そもそも絵画だけではないが、自己を表現することはどんなことでも自分をさらすことだから、程度の差はあれ、覚悟が必要だろう。

このほか展示されていたのは――
《腑分図 第七頸椎》
《腑分図 左鼓膜》
《終極にある異体の散在》
《絶え間なく断片の衝突は失敗する》
松井の作品タイトルはどれも独特で、思わず絵をみながら考えさせられてしまう。だけど、なんだかよくわからないようでいてなんとなく入り込んでくるから不思議だ。
作品リストがあって、そこに本人による創作意図が書き加えられている。作品のところにタイトルが明示されていないので、タイトルによっては絵と結びつけるのが難しいものがあったのだけど、その創作意図を読んでなんとか結びつけた(けど、自信がない)。
絵には魅力があって、みる者を内面に向き合わさせるような力があった。

2019.09.17 Tuesday

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コメント
こんばんは。

作家さんご本人にお会いできるのは
こうしたギャラリーめぐりの愉しみでもありますね。

あと10年後どのような絵を描くか
とても興味があります。
★Takさん、こんにちは。
現代作家にあまり興味がなかったので、ギャラリーをめぐってみる気になったのは最近のことです。最初、足を踏み入れるのには少し勇気がいりました。

10年後にどんな絵を描くのか楽しみです。絵をみる側も変わっているでしょうし。
  • キリル
  • 2008/03/10 12:08 PM
キリルさん、こんばんは
なかなか機会はありませんが、松井冬子の作品は、是非実物を見たいと思っています。
僕も作品とタイトルがなかなか結びつかないので、本人による創作意図はすごく興味があります。
今さらですが、松井冬子画集について書きました。
TBさせ絵いただきますので、よろしくお願いいたします。
  • lapis
  • 2008/04/05 9:00 PM
★lapisさん、こんにちは。
そうそうみる機会はないと思いますが、画集をじっくりみた方が、実物をみてどうお感じになるのかとても興味があります。
タイトルを含めて作品として表現していることに、つよいこだわりが感じられますね。
  • キリル
  • 2008/04/06 10:05 AM
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成山画廊で2月23日まで開催されていた 「松井冬子/Narcissus」に行って来ました。 閏年の二月もあっという間に過ぎ去り、もうじき上巳の節句。 「今年西暦何年だったけ?」と同僚に聞かれ、「2007年ですよ」と 何の躊躇もなく返答してしまうあたり「時代」に
  • 弐代目・青い日記帳 
  • 2008/03/06 5:10 PM
松井冬子の第1画集である。黒いシックな表紙の中央に金色の文字で「松井冬子」と書かれたシンプルなデザインで、題字は松井の自筆だという。 松井冬子 一 MATSUI FUYUKO I作者: 松井冬子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/02/21メディア: 単行本上の写真には無
  • カイエ
  • 2008/04/05 8:52 PM

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