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2007.08.19 Sunday

「自画像の証言」をみて

東京藝術大学創立120周年記念企画「自画像の証言」を東京藝術大学大学美術館の陳列館でみた。

自画像の証言チラシ 自画像の証言チラシ裏

卒業制作で自画像を描くという発想はとてもおもしろいし、その積み重ねは当然、資料的な価値にもなる。

1.黒田清輝と最初の二枚
卒業制作の自画像の伝統は黒田清輝の方針で始まった。前身の東京美術学校に残された最初の2点が1902年の北蓮蔵と白瀧幾之助。はっきりいって、若者らしい若さが感じられなくて、たぶん相当つくられているんじゃないのかな。

2.黄金世代―1904年卒業組以降
日本サッカー界の黄金世代といえば、小野、高原、稲本らの世代だけど、藝大では1904年に洋画科を卒業した青木繁、熊谷守一、児島虎次郎ら。
青木繁
青木繁
遠くをみているようで、なんとなくだけど青木繁って感じ。

正面を見据える、何か自分自身のことを問いかけるような自画像が熊谷守一だと知って驚かされた。将来の作風で顔をイメージできるはずはないのだけど。

蒲生俊武
蒲生俊武(1910)
いちばんインパクトを受けたので。髪型といい、グラスを傾ける姿といい、なんなんだーと叫びたくなった。
藤田嗣治も同じ1910年。

3.明治から大正へ
ここにも名を残す作家たちの名前が。
小出楢重、佐伯祐三、岡鹿之助、荻須高徳・・・。まだまだ自画像としてイメージできるようなスタイルの絵がほとんど。

4.戦時下の画学生群像
知っている人は全然いないけど、かなり独特な作風の自画像がぽつりぽつりと。

5.昭和から平成へ
ここからは2階の展示室になる。1階に女性の自画像はなかったが、これ以降女性が増えていき、最後になると女性だらけになってくる。今は男女比どれくらいなんだろう。

1970年代になると、表現が多彩になっていき、自画像といわれないかぎり自画像とはわからない作品も登場する。絵だけでなく、写真その他のモノが使われていたりして、相当おもしろい。
1982年の千住博から日本画の自画像が加わるようになるのだけど、おもしろいのは、いろいろな表現のなかでも、日本画の学生の作品にはなんとか顔が描かれていて、自画像としてイメージできる範疇におさまっていることだ。

気楽な気持ちでみにいったのだけど、自画像にはなんていろいろなものが込められているのだろうと感嘆するとともに、表現形式のありようについても考えさせられた。
自己表現としての自画像から伝わってくるのは自意識だ。顔写真がいっしょに並べられていたら、そのへんがもっと感じられておもしろかっただろうなーと思った。
自画像の証言図録
あまりにおもしろかったので、図録を買ってしまった。500円だったし。

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コメント
キリルさんも行かれたのですね!
面白かったという感想を見て思わず私も嬉しくなりました。
TV番組も見ていただけると、更に面白さが増します。
自画像制作者本人のインタビューがかなりあるのです。

図録も入場料(無料だから)だと思えば安いもの。

キリルさんのご指摘で気付きましたが、確かに男女比は気になりますね。
  • meme
  • 2007/08/19 8:40 PM
>memeさん、こんばんは。
先ほど教育テレビでみました。とても興味深い番組でした。自画像一枚一枚にそれぞれの情熱や後悔そのほかの深い想い、それに時代性が伝わってきました。
先に番組を見ていたら、より楽しめたかもしれないけど、ちょっとしんどかったかも、と思ったり。

戦後まで女性がいなかったのは入学が認められていなかったからだ、ということに気づかなかった自分の浅はかさが嫌になります。
  • キリル
  • 2007/08/20 12:08 AM
「自画像」はとっても難しいテーマだと思います。時代背景や心理状態などを反映していますね。
先日、兵庫県立美術館で「絶筆展」を観にいきました。「見果てぬ夢、画家が最期にみたものは」がサブタイトルだったと思います。黒田清輝の最期の作品は、「梅林」でした。意外にも、色調は決して鮮やかとは言えない、荒い筆跡の作品でした。
同じテーマを描いた、たくさんの画家の作品を鑑賞するのは興味深いですね。
個人的なお話ですが、小出楢重の裸婦が大好きです。兵庫県芦屋市に小さなアトリエの再現があります。
  • kazue
  • 2007/08/26 1:08 AM
>Kazueさん、こんばんは。

絶筆展は気になる展覧会です。絵画はそもそもとても自分なるもののように思うのですが、自画像や絶筆のようなテーマで、しかも作品がたくさん集まると、さらにいろいろな想いが浮かび上がってくるような気がします。

金曜日に「迷宮美術館」で小出楢重の裸婦が取り上げられていましたね。どうしてああいう裸婦を描くようになったかというところが、とくに興味深かったです。
  • キリル
  • 2007/08/26 1:56 AM
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昨夜書いた総括編の中で、どの展覧会を一番最初に書こうか迷ったけれど、私のオススメ順でアップしていくことに決めました。 トップバッターは「自画像の証言」展。 藝大美術館に行ったのは「金比羅宮の美」が目的でしたが、
  • あるYoginiの日常
  • 2007/08/19 8:43 PM

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