ブリヂストン美術館で
「美の饗宴―東西の巨匠たち」をみた。
チラシがないのでこちらでご勘弁を。これはチラシがなくなって代わりに作ったものかな。
ブリヂストン美術館には特別な展示がなくても、機会があればふらりと寄る、という基本的な接し方ではいる。常設展示があって、たまに入れ替わった作品をみて楽しむという姿勢。本展も、銀座に出たので、ちょっと足を延ばしてみた次第。
互いに影響しあった西洋と日本の美術の関係をみるこの展覧会は、ブリヂストン美術館と石橋美術館のコレクションで構成されているので、わりと気楽な気持ちでみはじめた。
レンブラントの銅版画《聖書あるいは物語に取材した夜の情景》が目に入った途端、いつもの展示をみる気分になっていたが、岡田三郎助《臥裸婦》をみて、やはり今回はわりと日本の洋画がいつもより多く出てるんだと気づく。実際、藤島武二や梅原龍三郎の作品でみたことがない作品があった。
ところが、第2章「日本美術との出会い」になると、浮世絵などの日本美術の影響を受けた西洋絵画などがばんと登場して、俄然おもしろくなる。
モネ、ロートレック、ガレなんかに混じって、これはもう影響を受けたとかではなくて浮世絵そのまんまだろうという作品まであって、当時、日本美術が相当のインパクを与えただろうことがよくわかる。
アンリ・ラシュー《装飾パネル》(『レスタンプ・オリジナル』1983年第2号)
日本美術っぽいけど、何か違うというところがおもしろい。日本美術から借りてきたモチーフで構成し、エキスを盛り込んでみようとしたのだろうか。これだと鳥は飛ばなくて、桶の横で何かをついばんでいそうなところだけど、そこにはえらく小さな亀がいた!
『レスタンプ・オリジナル』という版画集の性格もあるのだろう。
後半にも日本洋画がたくさん展示されていて、以前にはみた記憶がない、古賀春江の作品も2点あった。
石橋美術館からの作品もあったからだろう、みなれたブリヂストン美術館がいつもとやや違う感じもありつつ、やはりブリヂストン美術館だなと安心していられる、そんな展覧会。会期も終りに近づいているが、みてよかった。