2023.08.20 Sunday

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2017.01.21 Saturday

振り返りと今年。

昨年このブログに投稿した記事は、なんと4件。ひどいものです。

美術展にはそんなに行かなくなりました(映画館には毎週のように足を運んでますが)。ちょっとした環境の変化もあって。

とはいえ、みたい展覧会はたくさんあって、昨年もあといくつかには出かけました。

国立西洋美術館のカラヴァッジョ展、クラーナ派展とか、損保ジャパン日本興亜美術館のカリエール展とか。

 

カラヴァッジョ展は、期待が大きすぎたせいか、それほどしっくりきませんでした。個人的にこれは!という作品をみつけられなかったせいかも。《法悦のマグダラのマリア》は繊細で魅力的ではありましたが。

カリエール展は、家族の親密さとか、そういうのがセピア色の画面で描かれていて、ぽわんとした気分にはなりましたが、あまり好みではありませんでした。

クラーナハ展は、やはり女性の裸体が魅力で、クラーナハがそれを本当に描きたかったのかどうかはもちろんわかりませんが、工房のビジネスモデル的なにおいがしましたね。

(追記:適切な言葉遣いではないので、修正します。「稼ぎ頭」とか「最有力商品」のような意味です。)

 

今年も注目の展覧会がたくさん開催されます。

「バベルの塔展」(東京都美術館)、「オルセーのナビ派展」(三菱一号館美術館)、「ミュシャ展」(国立新美術館)あたりは確実に行くと思います。記事にするかどうかはそのときの気分でしょうか。

 

そんなわけでいまだに中途半端に続けているブログですが、さていつまで続くのやら。

 

 

 


2011.07.24 Sunday

「暑かった〜」秩父小旅行

秩父に一泊旅行してきました。
記録のつもりで書いていたらすっかり長くなってしまったので、もしお暇があれば。


秩父には前々から一度行ってみたいと思っていて、今年あたり行きたいと考えていたところ、TVアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が始まり、これは秩父に行けとのお告げだと確信(そんなわけない)、箱根に行く計画を変更して秩父に決めた。
アニメの舞台を訪ねる聖地巡礼が目的ではないですよ、ないですよ・・・。

書店で探しても秩父のガイドブックってあまりないもので。ではと、ネットで「あの花」聖地巡礼をした人のブログなどを眺めていくらか参考にしたものの、地図ひとつ持たず、ほとんど予備知識ない状態で旅行に臨むことになった。ちなみにツレは友人たちと秩父夜祭に行ったことがあり、その時の人の多さとあまりの寒さが、ある種トラウマになっているとか。

さて旅行当日。
ドイツで決勝戦を戦うなでしこジャパンの試合を見ながら出発の準備。W杯優勝というまたとない歓喜に、旅行も幸先がいいなあとうれしくなった。なでしこたちがワールドカップを掲げる瞬間を確認して家を後にする。

特急ちちぶ号
西武池袋駅で特急ちちぶ号に乗り込む。車内で朝食をとったりしているうちに、やがて山と森と川の景色に変わり、しばらくすると秩父のシンボル武甲山の威容が目に入った。感激していると、間もなく列車は西武秩父駅に滑り込んだ。およそ1時間半のあっという間の列車の旅。

改札を出た最初の感想は、何もないんだなあというもの、そしてなんといっても暑い!だった。
秩父は山だから涼しいと思っている人も多いらしいが、盆地だから、夏はすごく暑くて、冬はすごく寒いとは噂に聞いて知っていた。ところが予想以上の暑さ。やや曇り気味ながら気温は高く、湿気が半端なかった。基本歩きなので、相当きつくなりそうな悪寒、いや予感。
西武秩父駅
西武秩父駅
近くにあった観光案内所がちょうど開いたので、殴り込みをかける。観光マップの目ぼしいものがあるだろうと探したが、これといったものがなくて、どうにか使えそうな「秩父 観光食べ歩きマップ」を頼りにすることにした。
西武秩父観光案内所01西武秩父観光案内所02
観光案内所内の「あの花」コーナー
秩父では7月23日から「あの花」関連キャンペーンが始まり、マップが配布されるとか。そのマップがあれば助かったのだろうけど、少し早すぎました。

さていよいよ探索開始。秩父鉄道の秩父駅方面に向かっていくことだけは決めていたので、まずは西武秩父駅に隣接する仲見世通りを抜けていく。思っていたよりもしょぼい感じだけど、人が少なかったからそう感じたのかもしれない。
西武秩父仲見世通り01西武秩父仲見世通り02

お隣りの駅、御花畑駅の近くまで歩いてふと振り返ると、武甲山が目に入ったので、パチリ。っていうか、パチリなんて音はしない。
武甲山
そこから少し歩くと、左手の先にお寺が見えたのでそちらへふらふらと行く。正直、休めるところを探し探し行かないと、暑さにからだがやられてしまう、というのもあって。
旗下山慈眼寺01旗下山慈眼寺02
秩父札所13番 旗下山慈眼寺
この夏、いろいろな涼感グッズが売られているので、秩父に行くのに、水に濡らすだけでひんやり感をキープするタオルを買ってみた。乾いたタオルで汗を拭くより濡れているほうがいいのは確かだけど、それほどのひんやり感もなく、まあこんなもんかという印象。
閑話休題。
このお寺の木の陰でしばし日差しを避けて、水分を補給したりしてから、再び秩父駅を目指す。もちろん、お参りはしましたよ。

街には古い建物がそこここにあって、いろいろゆっくりと見ていきたいところだけど、とにかく暑くて、余裕を持ってのんびり眺めるということがなかなかできない。スーパーがあったらそこに逃げ込んだり、それはそれで楽しいものだけど。

小池煙草店
風情のある古そうな建物があったので、なんだろうと見ると、角の部分が、タバコ屋のおばちゃんが、はいよとタバコを売っているようなところだった。で、見上げると、小池煙草店とあった。
これはいいなと少し離れたところから写真を撮ろうと、自動車を気にしながら移動したら、こんな建物が目に留まった。
カフェ・パリー02カフェ・パリー03
カフェ・パリー "登録有形文化財"とある。色褪せた食品サンプルにはラーメン、チャーハン、ギョーザなどなど。今ならカフェと名乗ることはない品揃えだ。こういう建物を見るとうれしくなって、汗を流しながら、写真に収める。

そしてまた少し歩くと、いよいよ秩父神社が現れた。秩父はこの秩父神社の門前町でもあるらしい。神社前の道路を挟んだところでは、人々が集まって山車の準備をしていた。このあともあちこちで同じ光景を見かけたので、夏祭りでもあるんだろうなと思っていたら、秩父川瀬祭が翌日から開催されるということだった。
秩父神社01秩父神社02
秩父神社03秩父神社04
秩父神社05
秩父神社
装飾が凝っていて、ひとまわり見学したら、暑くて死にそうになった。ので、涼しそうなところを探したら、社務所の中に喫茶コーナーがあった。地獄にホトケの心境。
秩父神社_柞
喫茶 柞(ははそ)
そこでソフトクリームを食べているうちに、冷房はなかったけども、ようやく暑さがすこし離れてくれた。このソフトクリーム、ひと口食べた瞬間、予想を裏切る濃厚な味わいが一気に広がって、うまかった。これはぜひ、秩父の夏に悲鳴を上げそうなときに味わってもらいたい。

ひと息ついたら元気になった。再度、秩父駅に向かうと、そこからはすぐだった。秩父駅秩父地域地場産センターと一体になっていた。そこでしばし油を売ってから、ふたたびぶらぶらと外に出た。

近くには明治時代初期の商館を生かしたほっとすぽっと 秩父館という建物があって、「あの花」の拠点らしき空間になっていた。
秩父館外観02秩父館外観01
建物の2階にも上がってみたが、熱がこもっていて早々に撤退するはめに。1階のエアコンにあたりながら、「あの花」絡みの展示などを眺める。
あの花_秩父館02あの花_秩父館01
ちょうど「あの花」の新しいガチャポンがそこに登場、少年がうれしそうに回し、「よかったな〜」という大人の男性の声を聞きながら、その場を後にした。

続いて近くの酒蔵に行きかけたところ、大きな橋があるよとツレが言うので、せっかくだから行ってみようということになった。少し雲が出てきたものの暑さは変わらないなか、坂を下ると、大きな橋、下には清流が見えて、釣り人がたくさん。鮎ねらいなのかな。
秩父公園橋01秩父公園橋から
秩父公園橋
武甲山もよく見える絶景。
橋を往復し終えたあたりで、どうもツレが暑さにやられたらしい。お腹も空いたので、蕎麦屋にでも入ろうと探すと、看板が見つかったのでとぼとぼとそこへ向かうと、この暑いなか、店外で待っている人たちが・・・。
こちらには到底待つ元気がなくて、秩父駅に向かう道に復帰。が、ツレの様子がおかしくなって、顔が真っ赤になり、「やばいかも」というので熱中症かと心配したが、とにかく休めそうなところを探す。どうにか駅の近くの蕎麦屋にもぐり込み、出された冷たいお茶を飲んで、すこし涼んだらツレもなんとか復活してほっとする。

初めての蕎麦屋で食べるのは、基本的にもりそばと決めているが、もりがなかったので、ざるにする。蕎麦の実の粒が入った田舎そば風の手打ちそばが出てきたので、期待感を持って口に運ぶと、もそっ。そばの香りもしない。この時期のそばだからとかではなくて、これはビジュアルに騙された!という感じでがっかりした。ご主人、高校野球中継に夢中になってる場合じゃないよ、と言いたくなった。

もう少しからだを冷やしたかったので、地場産センターに戻り、建物内の茶房レストラン 春夏秋冬に落ち着くことにした。ここは、いい意味で予想を裏切ってくれた。こういう建物内にあるレストランがどういうものか誰もが持つイメージがあると思うけども、店内はきれいだし、接客もよくて、先ほどの蕎麦屋には寄らないで最初からここにすればよかったと思ったほどだ。
秩父神社01
こちらでもアイスクリームとコーヒー。コーヒーを頼んだからか、自家製生チョコがサービスで付いてきた。アイスクリームは濃厚でおいしくて、ソフトクリームしかり、この街ではこういう濃厚なのが普通なのか気になった。ツレもすっかりご機嫌になったのと、外に出たらまたあの暑さと格闘するハメになるのかと恐れおののき、レストランにはすっかり長居してしまった。外の暑さをよく知る女性店員さんと秩父の気候についてちょっと会話、ゆっくりしていって下さいとうれしいことを言ってくださる。会計する時には、また涼しい時に来て下さいと団扇をもらった。扇子をもっていたけど、せっかくなのでありがたく頂戴した。

夕方になってきたし、それではもうホテルにチェックインしようということになった。ホテルは高台にあるのでタクシーで行こうかと提案してみたが、タクシーに酔うツレは拒否、歩くことになったのだが、彼女は道の途中で窪みにはまって転倒、心配ばかりかけてくれる。高台への道も長くて、自分は暑さ以外はまったくもって元気だったけど、ツレはやはり死にそうになっていた。

高台のホテルで秩父の街を眺めながら冷たいドリンクをいただき、部屋に落ち着いたら、すぐに温泉に向かった。客もあまりいないようで、男湯に他に客はいなくて、ずいぶんいい気分になった。女湯も他に誰もいなかったそうだ。
風呂でさっぱりしたら、すぐに夕食の時間になり、レストランでも街並みを眺めながら、食事と秩父ビールを1本。エールは大好き。

夕食後、部屋に戻って、再放送中のなでしこジャパンの決勝戦を見ながら眠ってしまう。まあ予想通りだけど。
目が覚めたのは日付が変わった頃。部屋の内風呂に入る。窓から夜景を見ることができて気持ちがいい。で、風呂から出たあとは、本格的に寝る。
秩父夜景

翌日は台風が接近していて、朝から予報通りの雨。予想最高気温は前日比マイナス7度の29度。・・・っておい、きのうは36度あったのか。どうりで。
それはそうと2日目の予定。実は夕方までふらふらするつもりだったが、台風の影響がだんだん強くなりそうなので、午後早い目の特急に変更してもらうことに決めた。その矢先、TVニュースで西武秩父〜高麗間が大雨で運転を見合わせていることを知る。これはまずいことになったとは思ったが、いずれ動くだろうとタカをくくる。後で知ったのだが、この区間はもともと水に弱いところだそうだ。

ホテルをチェックアウトして送迎バスで西武秩父へ。まだ不通のまま。雨もそこそこだったので、様子をみることにして、また散歩に出かける。
せっかくなので「あの花」の舞台、定林寺まで歩くことにした。湿気はあるものの、気温がだいぶ低いの過ごしやすく、歩く足取りも軽い。途中、雨の中、夏祭りの準備が着々と進んでいるようで、道路の脇にはたくさんの屋台が設置されようとしていた。台風で見物客が減るだろうけど、実行する側の人たちは誰も元気そうで、なにより楽しそうだった。
定林寺01定林寺02
札所17番 実正山定林寺
実際に見ると、アニメの舞台ほどの魅力は感じなかった。まわりの雰囲気はなかなかいいが。
と、また雨がぱらついてきて、そろそろ本当にまずいかもと、あわてて引き返すことに。途中にある武甲酒造を見てみたかったので、寄ってみた。こちらも誰も客はいない。お酒を買うと、好きに見て行ってくださいと声をかけてくれたので、いろいろと見学させていただいた。
武甲酒造外観武甲酒造
武甲酒造
雨脚がやや強くなってきたので、お昼だけ食べたら、いよいよ秩父を後にすることに決めた。
前日のリベンジということで、良さ気な蕎麦屋に入ってみた。前日の蕎麦屋よりはよかったが、やはり満足というわけにはいかなかった。

西武秩父駅に向かっていると、札所15番 母巣山少林寺を見つけたので、やはり寄ってみたが、どうということもなかった。

西武秩父に戻ると、運よく、間もなく再開するというので、いちばん早い特急に変更してもらい、それまでコーヒーでも飲むことに。大通りまで歩いていちばん近くにあったミスドでしばし休憩してから、仲見世通りにお土産を買いに行った。
駅に戻ると、ちょうど特急が到着、これで戻れると思ったのも束の間、再び運転見合わせの報せ。
再開を待つか、迂回ルートを取るかの決断を迫られたすえ、雨がましになる可能性は低いと判断、別のルートで池袋を目指すことにして、特急券の払い戻しを受ける。
正直がっかりしたので、ロッカーから取り出したバッグの重さが増したような気がした。

秩父鉄道御花畑駅まで歩き、寄居行きに乗る。ローカルな路線の古い車両に揺られ、長瀞を通過しながら、これはこれで楽しいものだと気分は持ち直す。が、東武東上線に乗り換えて、人が徐々に増えてくるに従ってなんかうんざり、うちにたどり着いたときには疲れがどっと出た。


山に囲まれた美しい秩父。古い趣きのある建物がまだたくさん残っているし、ぜひまた気候のいいときに行ってみたいと思っている。
これから「あの花」関連キャンペーンがいくつか続くらしいので、秩父に出かけるみなさんは、くれぐれも暑さにやられないように十分気をつけてください。

以上、間抜けな小旅行でありました。お粗末。

2011.03.18 Friday

大地震の日の記録

11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震から1週間が経過した。
多数の死者・行方不明者が出て、多くの被災者が苦しんでいる。時間はかかるだろうが、日本に住むみんなが気持ちを一つにして、一日も早くごく当たり前の日常が戻ることを祈っている。

今回は、東京23区内で働き、暮らしている僕の、大地震が発生した日の極私的な記録。

そのとき僕は職場でパソコンを前に仕事中。揺れ始めたので立ち上がり、周囲の様子をうかがっていると、だんだん大きくなってきたので、近くにあるロッカーを押さえたほうがいいかなと思っているうちに、これまで一度も経験したことのない揺れになった。建物のきしむ音が聞こえ、驚くほど大きく揺れたため、とりあえずデスクの下にもぐりこむと、明かりが一瞬消える。
デスクの下でからだを丸めながら、もしビルが崩壊したら助からないかも知れない、連れ合いはどうしているだろうかと考えた。ここまで地震の恐怖を身近なこととして感じたのは初めてだった。
落ち着いてからデスクの下からは這い出したが、その後も大きな余震が続き、いったい何が起こっているのだろうと気になる。職場の被害を一回りして確認。いくつかのロッカーが倒れ、電話回線が不通になる。もちろん携帯電話はつながらない。エレベーターも止まっている。

しばらく様子を見て、さすがに本震以上の余震はないだろうと、ガスの元栓などを確認、声を掛け合って階段で外に出て、窓ガラスなどの落下物に注意しながら近くの公園に避難した。普段はそれほど多くの人が歩いていない場所なのに、公園はほぼいっぱいだった。外では揺れは感じにくいが、電柱の標識がときどき揺れているので余震が来ていることはわかった。
少ししたところで、連れ合いから無事とのメール。返信しようとしたが送れない。そうこうするうちに30分ほど経っただろうか。徐々に戻る人も出始め、われわれもビルに戻ることにした。

電車はすべて止まっている。バスやタクシーは動いているようだが、渋滞で進まないとか。ここで決断するのは、電車が復旧するまで職場で待つか、歩いて帰るかということ。
歩いて帰れそうな人が徐々に職場を後にする。遠くて歩けそうにない人、当日の電車の回復が見込めない人は早々に居残りを決める。
連れ合いからは、職場の人たちと帰路に着いたとのメールが届いた。できれば合流したいが、連絡が取れないので、帰宅するしか方法がない。地下鉄が復旧するのを待つ手もあったが、いつになるかわからないし、体調が悪かったのでむしろ帰りたいと強く思った。
僕はやりかけの仕事をしばらく進めてから、日が暮れたころ、居残り組に別れを告げ、非常食のお菓子一つと水をカバンに入れて帰路に着いた(いつも持ち歩いているノートブックをその日はたまたま持って出なかったのは運がよかった。まあ体調が悪かったからだけど)。
帰宅までの予想タイムは2時間。

歩道は人で溢れていた。途中の外食チェーンでは食事をする人、席が空くのを待つ人で混雑していた。コンビニや公衆電話にも行列。ちなみに、家に辿り着くまででいちばん長い行列が出来ていたのは吉野家だった。誰もが自分のこと家族のことなど、いろんな心配事を抱えながら、今できることをしようとしているようにみえた。
たくさんの人がそれぞれの方向に混乱もなく歩いている。これってすごいことなんじゃないかと思った。なかにはヘルメットをかぶって、ポンチョ型の毛布を羽織っている人もいて、職場の備えがいいんだなと羨ましくなった。交番の警察官も、たくさんの人から道を訊かれているだろうに、僕が見かけた限りではどの警察官もとても丁寧に対応していた(むしろ普段より丁寧に見えた)。

思い描いていた道を辿りながら考えたのは、いかに自分に備えがなかったかということである。職場でも自宅でも地震の備えは全然出来ていなかった。帰り道のルートのシミュレーションもせず、モバイル機器が使えなくなるとも考えずに、地図すら用意しなかった。
甘い、甘いよ!と自分の不甲斐なさを罵りたくなった。

案の定、途中で道を誤った。知っている道だと入った道が一本違っていたのだ。それは早い段階で気づくことなのに、最初の疲れがきていたのだろう、判断力が鈍っていて、引き返すという決断ができなかった。想定していたコースに戻るまでに、混雑でなかなか進めない道に入らざるを得なかったことも含めて、30分近くロスしたのではないか。
とにかく想定ルートに戻った頃、脛がつりそうになった。革靴というハンディを差し引いても運動不足すぎるだろうとがっかりしたが、やがて気づいたのは、自分の歩き方に問題があるということだった。ずいぶん昔に右足に大怪我をしたときの古傷を無意識にかばう癖があるのは理解していたが、途中から右足の踵の外側が痛み出した(結局、その部分を痛めてしまい、それから4日間ほど足をひきずるはめになった)。

連れ合いからうちに辿りついたとのメールが来た。ほんの少し落ちたものがあったものの、それ以外に被害はなかったとのことでひと安心。地震への備えはしていなかったが、全体的にモノを低く揃えていたことが幸いしたのかもしれない。
それから1時間弱で僕も帰宅、お互いの無事を喜び合った。スムースではなかったが、2時間半ほどで帰りつけたことになる。その後、自宅にあるもので食事をしたら、ようやく落ち着いた。
連れ合いは、会社のビルを外から見たときに豆腐のようにくねくねとするのを見て恐怖したとか。なかは天井の一部が落ちたり、書類が散乱、ひどい状態だったと言いながら、携帯電話カメラの画像を見せてくれた。自分も職場の写真を撮っておけばよかった。連れ合いは自宅近くのコンビニ、スーパーに寄ってみたそうで、どちらもパンやおにぎりの類が全然なくて、とくにスーパーはひどい行列だったということだった。その日はそんな感じだったが、その後、買いだめが進行していると聞き、呆れるというより怒りを感じた。東京でそんなことをしている場合じゃないだろう、と。

東北地方を中心に地震と津波による被害はあまりに甚大で想像を絶する。人は自然のエネルギーに対してあまりに無力だ。
地震発生から数日間、僕に何が出来るだろうと考えつつ、ツイッターのタイムラインを眺め、みんなが知ったほうがいいと思う情報をリツイートしたりしながら、RTすることでかえってTLの重要情報の邪魔になるのではないかとか、いろいろ考えてしまった。フォロワーが少ないのであまり深く考える必要もなかったかもしれないが、せめて怪しい情報は流さないように心がけた。
こうしてパソコンを起ち上げていていうのもなんだが、節電くらいはと実行している。東京でも長く不自由な状況が続くかも知れないが、被災地のことを思えば、全然たいしたことじゃない。バカげた風評に惑わされない冷静な判断力も要求されるし、行動に際して、それがどういう影響を及ぼすかもよく考える必要がある・・・・・・と自分に言い聞かせている。

1週間というのは短いようで長い。最初の区切りの日を迎え、少しずつでもよい方向に向かうことを信じている。


2010.08.15 Sunday

ブログ刷新中

ブログをやや刷新して、内容を少々シンプルにするつもりです。
記事のなかみはこれまで以上にスカスカになるでしょうが、展覧会に出かけた記録だけでなく、本を読んだりしたこともたまにはメモっていこうかと考えています。

だんだん記事を書くのが億劫になってきていて(というより、書き始めるまでが億劫)、気楽に続けるためには、記事にあまり時間をかけなくて済むようにしたいからです。なので、画像もあまり載せないつもり。

こんな中途半端なブログですが、気が向いたら覗いてみてください。ほそぼそと続けます。

2010.02.19 Friday

「奈良の古寺と仏像」展のみどころ

 平安遷都1300年記念「奈良の古寺と仏像 ―會津八一のうたにのせて―」展の記者懇談会なるものに、なぜだかお声掛けいただいたので出席してきた。
記者でもないし、こういう不活発なブログだし、当初は参加するつもりではなかったのだけど、一度こういう場所を見てみたいという興味本位と、青少年時代の一時期を過ごした、大好きな奈良を広めるのに微力ながらお手伝いしたいという意味で、参加を決めた。奈良に住んでいたといっても、古代史や美術に関心を持つようになるのはずっとあとのことで、今から思えばもったいなかったなー。

さて本題。
数日前から仕事が極端に忙しくて、体調も悪くなっていったので、実はぎりぎりまで出席できないかもと覚悟していたが、こういう機会を一度逃してしまうと、二度目がなくなるかもしれないので、どうにかやりくりして行ってみた。
日本橋三越前のアンテナショップ「奈良まほろば館」の2階が会場。40人程度でいっぱいになるくらいのスペース。まわりは記者さんらしき人たちばかりで、なんとなく場違いな気がしたけど。

奈良の古寺と仏像展
まずは展覧会の概要を見てみよう。
奈良をこよなく愛した會津八一のならうたにのせて、奈良の仏教美術を堪能してもらおうというこの展覧会。今年4月から12月にかけて、八一のふるさと新潟を皮切りに、東京、奈良の3会場で開催され、合わせて国宝4点を含む奈良の代表的仏像、仏教美術品が出品される。

新潟展(2010.4.24-6.13)の会場は新潟市美術館。
注目は中宮寺の国宝「菩薩半跏像」(伝如意輪観音)。チラシの写真を見ただけで、その柔和な姿と表情にぐっと惹きつけられ、心から見たいと思った。この仏像、奈良・東京以外では初の公開になるのだそうだ。ただしこの特別公開は5.25〜6.6に限られるので注意が必要(混むだろうなー)。
新潟市會津八一記念館では、「生涯と業績をたどる」が同時開催され、八一の書「獨往」などが展示される。

東京展「繊細な造形美集う贅沢な空間」(2010.7.7-9.20)の会場は三井記念美術館。
注目は、悪夢をよい夢に変えるという法隆寺の国宝「観音菩薩立像(夢違観音)」、それに室生寺の国宝「釈迦如来坐像」(これも7.7-7.25の期間限定)。そして、うち二仏が東博と奈良博に寄託されている西大寺の重要文化財「塔本四仏像」が約20年ぶりに並ぶのだそうだ。これもわくわく(平面好きのはずでは?というツッコミはしないように)。
関連企画として、「入江泰吉写真展」(7.7-7.19)が日本橋三越本店で、「小川晴暘没後50周年記念「写真展/祈りのかたち」(7.7-7.25)が日本橋三井タワーで開かれる。

「東京展」の感想はこちら→「奈良の古寺と仏像:東京展」

奈良展「天界の至宝再発見、あふれる情熱」(11.20-12.19)の会場は奈良県立美術館。
こちらは奈良にあって「奈良の古寺から仏像をお借りするわけにはいかない」とのことで、「古寺・仏の美、うたい 写す」[八一ゆかりの作品で大和に誘う]と相成った。「ならうた」歌書・歌碑の拓本、東大寺龍松院蔵の拓本群、仏像写真家たちの名作などが展示される。

懇談会には、展覧会を監修した鷲塚泰光 前奈良国立博物館館長、大橋一章 早稲田大学會津八一記念博物館館長、神林恒道 新潟市會津八一記念館館長、清水眞澄 三井記念美術館館長が出席、それぞれがみどころを紹介、いろいろと興味深い話があった。

3会場で開かれるけども、いわゆる巡回展というよりはむしろ3部構成と考えるべきだという見方。確かにそれぞれにはっきりした特色があるので、すべてをみて、ようやく全貌が見えてくるかもしれないと納得。
如意輪観音の新潟での公開は、地震からの復興への願いが込められているそうだ。その他も含めて貴重な仏像たちの奈良からの持ち出しに尽力されたらしい鷲塚氏がそう語った。
仏像が専門の清水氏は、仏像といってもいろいろなものがあり、材質や形態の違いにも注意して見てほしいというようなことを述べていた。見せる側としては、彫刻として仏像を見せることになるが、仏像として見るか仏教美術品として見るかは見る人の気持ち次第ではないかとも。

ところで、僕は會津八一と聞いても、たしか歌人だったなというくらいの認識しかなかった。神林氏によると、八一は新潟の名誉市民第1号で、新潟では知らない人はいないという。では八一とは何者か。歌人、美術史家、書家と八一がどう結びつくのか。
27歳で初めて奈良を訪れた會津八一は、奈良に惚れ込み、生涯にわたって何十回も訪れることになった。
奈良で感動し奈良に惚れ込んだ八一は、東洋美術史を研究し、感動を歌に詠み、それを自らしたためたいと望んだ。すべてが愛する奈良へのオマージュであったというのだ。

奈良を愛した會津八一の歌にのせて仏教美術品を紹介する。平城遷都1300年という機会を捉えて奈良を知ってもらいたいという主催者たちの願いがこもっている、そういう展覧会になりそうだ。

僕は奈良を離れてから奈良をさらに強く想うようになった。僕の心のふるさと奈良。その奈良を熱心に愛し、紹介したいと願う人々をうらやましいと感じながら、この拙い紹介文でほんの少しでもこの展覧会に出かけてみたいと思う人がいたら、少しは貢献できたと信じよう。

最後に、スペシャルゲスト登場!
せんとくん01 せんとくん03
やっぱ、せんとくんでしょう。







2009.12.23 Wednesday

野間記念館にふられる

 今朝、といっても昼に近い時間だったけども、急に野間記念館に行こうということになった。今まではバスで椿山荘前まで行っていたけど、地図を見ると最寄り駅から歩けば10分程度ということだったので、有楽町線の江戸川橋駅から歩いてみることにした。

神田川を越えて目白坂を登る。途中にお寺や神社があって、日差しが暖かくて、気分のいい散歩だなと思っているうちに、あっという間に椿山荘に出た。初めての道が物珍しいせいもあるのか、とうてい10分もかかったような気がしない。

そのまま野間記念館へ。あれ、閉まってる。
休館中だった。ホームページの展示内容ページには「講談社野間記念館の名品」展が確かあったように思ったのだけど・・・。まあ、実際には20日に終わっていたということ。よく見なかったのが悪いのだから仕方がない。
散歩で気分がよかったので、すぐに気を取り直して、永青文庫に向かう。そこで開かれていたのは書の展覧会だったのでパス。
しばらく新江戸川公園を散策してから、これまた初めてのルートで目白駅まで歩く。実はこのあたりには全然縁がなかったので、途中に、日本女子大や学習院のほか、小中高までいくつかあることを初めて知った。

天気がよくて暖かかったので、散歩日和で楽しかった。
決して負け惜しみではありません。そんな一日。

せめて写真をいろいろ撮っていれば散歩記録になったのだろうけど。

2009.08.29 Saturday

近況のような

 そうでないような、どうでもいいようなことを。

ご無沙汰しております。ちょっと事情があって、しばらく絵をみにいけてません。もうしばらくこういう状態が続きそう。

とはいえ、何とか時間をつくって、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観てきた。この夏、唯一の夏休みらしいイベントになった。最近は映画館に足を運ぶことがすっかりなくなったけど、アニメだけは観に行っているなー。
たしかに"破"だった。ロボットアニメの系譜に連なっていることを再確認させてくれるような戦闘満載で、密度が濃かった。意外な展開にも驚かされて・・・。
不満だったのは、音楽が過剰でうるさく感じられたことくらいかな。減らしたらきっと、もっとメリハリがついていいと思うのだけど。
映画を観る前に漫画版『新世紀エヴァンゲリオン』を読み返してみて、貞本義行がすごく絵がうまいことに気づかされた(今さらですみません)。

その貞本義行がキャラクターデザインをした『サマーウォーズ』も、前売り券を買っているので、早く観に行かなきゃ。
センコロールも観たいけど、こちらはちょっと無理そう。
やっぱりアニメばっかりだ。

そんなこんなで、しばらくはなかなか記事を書けなさそうですが、気がついたらフェードアウトしていた、なんてことにはならないように気をつけようと思っています。ブログをやらないのが普通になると、それはそれで心地よかったりするので。
ただ、自分にとってブログってなんだろう、絵をみてブログに記事を書くことってなんだろう、なんてことをつらつらと考えてたりはしています(いっそのこと、アニメ・ブログにしたら、なんて悪魔の囁きも・・・それはないけど)。

ところでMacユーザーのみなさん、もうSnow Leopardにしましたか。おすすめですよ。


ではでは。


2009.01.02 Friday

あけましておめでとうございます

2009年、あけましておめでとうございます。
今年は昨年よりさらに展覧会に出かける回数が減ることになるような気がしますが、今のところはなんとかマイペースで続けて行こうかなとは思っています。
今年もよろしくお願いします。 

さて、とりあえず注目している展覧会は次の2つ。その他どういう展覧会があるのか情報を集めていないので。

「国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア」(4月4日ー6月7日)
クラムスコイ《忘れえぬ女》が出品される。この作品はモスクワでもなかなかお目にかかれないという話を聞いたことがあるので、見逃せない。

新美術館開館記念 速水御舟展 〜日本画への挑戦〜」(10月1日ー11月29日)
屈指の速水御舟コレクションを誇る山種の移転記念の御舟展なので、期待しないわけにはいかない。普段は一同に展示されない作品がどんと見られるのだろうなー。


そして――
ガンバ大阪天皇杯優勝おめでとう!
とても幸せな新年が迎えられました。ありがとう!


2008.10.19 Sunday

漂うコメント

しばらく前から、このブログのLinks欄に登録しているブログのいくつかにコメントしても撥ねられるようになった。
不思議に思いながらも、うまくいかないとだんだん再度トライする気にならなくて、そういうブログはここのところは見るだけにしている。

原因はさっぱりわからないけど、制限をかけている何かに引っかかっているのだと思う。例えば「コメントの投稿が制限されています」といったエラーメッセージが出るので、スパム扱いにはなってないと思うのだけど。

で、ふと思ったのは、そういえば最近は自宅のiMacからSafariで投稿してばかりいる。問題はそこにあるのかも。ブラウザをFireFoxに変えてみるとか、winPCにしてみるとかすれば、コメントできるかもしれないけど、今のところはそういう気になかなかなれなくて。
コメントが入らなくて何度も落胆したからかも。正直どうでもいいようなコメントしかしていないのは事実だけど、そんなコメントでも拒否されると意外にガッカリする。コメントよ、どこへ行ったんだー!(すぐに電子的に消しちゃっているわけだけど)。

これまでちょっとコメントを入れる、くらいの気持ちだったけど、言葉が行き場を失うところを見かけると、思った以上にさびしいものだった。
適当に言葉を垂れ流してきた自分がいうのもなんだけど、言葉って意外に自分にとって重いものなんだとあらためて感じた次第。
なので、言葉をもう少し大切に扱おうと気持ちを新たにすると同時に、こんなブログにコメントしてくれる方々にあらためて感謝しているところです。

2008.10.13 Monday

絵をみに行かない3日間とちょっと宗達のこと。

この3連休は美術展に出かけなかった。そういうのんきな話を。

週末にだいたい美術展に出かけるようになって、もちろんどこにも行かないこともあるけど、3日間の休みがあって一度も出かけなかったことはあまりないかも。

土曜日。
ツレアイが用があって出かけた後、お気に入りのiMacに向かい、YouTubeで好きな音楽ビデオを聴いたりしていた。するといつでも聴きたくなって、iTunesストアで曲を買おうか、CDを手に入れようかしばし迷う。
深夜、「大琳派展」の余韻で、以前に買ってあった『新潮日本美術文庫 5 俵屋宗達』を読んだ。これまでちょこちょこと拾い読みしていただけだったので、しっかりと読んだ。そうなるともう、宗達のことをもっともっと知りたくなった。
あと二日のうち、少なくとも一日は美術展に行くつもりだったけど、音楽と本への気持ちが強くなってしまった。とりあえずどこのチケットも持っていないし。
新潮日本美術文庫_俵屋宗達

日曜日。
タワーレコードに足を運ぶ。
まず、前日YouTubeで聴いた曲の入ったポップスのCDを2枚買ってから、クラシックのところに移動してツレアイと合流。いろいろ見たり、試聴したりして、かなり長い時間過ごす。楽しくていつも長居してしまう。クラシックのほうはとくに決めたものがなかったけど、最終的にCD4枚購入。
続いて書店に入り、『もっと知りたい俵屋宗達』『もっと知りたい尾形光琳』『もっと知りたい酒井抱一』など5冊購入してさらに満足。書棚もいっぱいなのに。
夜、買ってきたCDをiTunesに取り込んで、流し聴きする。
その後、落描きして過ごすつもりだったのに、WOWOWで映画を観てしまった。
もっと知りたい俵屋宗達

月曜日。
紅茶を飲みながら『もっと知りたい俵屋宗達』を一気に読んでしまう。横で雑誌を読んでいたツレアイがソファで横になり、昼寝に突入してしまったから。なかなか起きてこないので『竹光侍』(5)も読んでしまった。
昼過ぎ、最近近くにできたスターバックスに偵察に出かける。コーヒーとドーナツでのんびり。読みかけのアーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』を読み終える。
旧版『幼年期の終わり』を読んだのは随分前のことで、実はよく憶えていなかった。たぶん、そのときはあまりしっくりこなかったのだろうと思う。
新版は第1章が書き直されていて、日本語では古典新訳文庫で初登場らしい。書き直しの効果はまったく関係ないと思うが、今回の読後感はとてもさわやかというか、新鮮な感動があった。やっとこの作品の魅力に触れることができた気がする。
ツレアイは引き続き熱心に小説を読んでいるので、僕はiPodで音楽を聴いていた。
コーヒーを飲んだら帰るつもりだったけど、散歩ついでに本屋に行くことにした。『幼年期の終わり』を読み切ってしまって、次に読む本はいくらでもあるのだけど、どうしてもすぐに読みたい本が出てきたから。
それは『もっと知りたい俵屋宗達』で紹介されていた辻邦生『嵯峨野明月記』。嵯峨本制作をめぐる三人の男、本阿弥光悦、俵屋宗達、角倉素庵の物語だという。
大型書店なので『嵯峨野明月記』はすぐに見つかった。新訳『罪と罰』(1)など、ほかに文庫3冊を買ってしまう。悪い癖だ。
明日から『嵯峨野明月記』を読むことにする。
辻邦生_嵯峨野明月記

さて、さきほどまでBShiハイビジョン特集「天才画家の肖像 謎の浮世絵師〜東洲斎写楽」を観ていた。
写楽が阿波の能役者、斉藤十郎兵衛だったとの説には強い説得力があるように思えた。大首絵の目の表現に能面の影響がみられるところなど、能とのかかわりがあるというのはとても興味深かった。とはいえ、わずか1年のあいだに画風が変化していることにはあまり触れられなかった。写楽が一人ではない、という可能性にも言及してほしかった。
明日夜の特集は岩佐又兵衛なので、これも観ようと思う。


なんとものんきな3日間だったけど、これが意外に楽しかった。たまにはこういうのもいいなあ、というか、もともとだらだらすることが好きだから当然か。
本物の絵はみなかったけど、本やTVではいろいろみることができた。とくに、以前から興味があったのに、放っておいた俵屋宗達のことが少しわかってうれしかった。

例によって、相変わらずの間抜けな話をひとつ。
「大琳派展」に向けて「BRUTUS」琳派特集を読んだときに、ワシントンD.C.のフリア美術館に、俵屋宗達《松島図屏風》があることを知った。門外不出なのでそこに行かなければみられない。日本にあれば国宝指定間違いなしとのこと。
実は以前、D.C.のお隣、ヴァージニア州にしばらく滞在していたことがある。そのとき、フリア美術館などの建物群があるスミソニアン協会をよく訪ねていた。ところがなんとバカなのか、宇宙に関心があるので、航空宇宙博物館ばかり行っていたのだ。暇はいくらでもあったのに、ほかの博物館を覗いた記憶がほとんどない。
当時、とくに美術に関心はなかったとはいえ、入ってみるくらいしてもよかったのに。
BRUTUS琳派特集

そういうばかばかしい話はこの辺にして。
とにかく俵屋宗達のことがしばらく頭から離れそうにない。できれば生涯のテーマにしたいなあ、なんて(古典、古文が苦手なので無理だろうなー)。


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